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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第一部 一章 墓守始めました
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52話

 セルジオが遺体を回収して戻ると、入り口に数名のメイドと墓穴堀の男衆が緊張した面持ちで彼の帰還をまっていた。


 「セルジオさん! 急ぎお屋敷へ!! 後はやっておきますから」

 「セルジオさんこちらへ!!」


 メイドの話によると、王国からの勅使が来ており、時間を稼いでるらしい。

 自分の戻る時間を稼いでくれているのかと、すごく恐縮するセルジオが屋敷裏口から入り、メイド集団から寄って集って何とか家長らしい?感じに、着替えをさせられ、気が付くと食堂の裏口に立っていた。


 「えっと、偉い人は食堂にいるのかな?」

 「はい、いまクーリンディアド様が、お話しで時間を稼いでおられます、急ぎご準備を」

 「クーリン・・・・あ、エルフの人ですね? えっと」


 そぉ~っと顔を出し耳を澄ます。


 食堂は人払いされており、勅使と一部の給仕のみ。

 豪華な料理とお酒で一行をもてなしているが、騎士の一行はゲロでも吐きそうな表情でエルフと勅使の代行:助祭の方を見ている。


 渋いダンディーな声と、腺の細い親父声がヒソヒソと囁いている。

 「あなたが困る事は、私も望んでいないのです。

 しかし、私も神に仕え、王国の繁栄に微力を尽くす身・・・・あぁ私は・・・・」


 「あなたの気持ちは痛いほどに伝わっています。

 卑しきエルフの身でなければ、あなたをさらって二人だけの旅に出たい。

 しかし、この身も一族の行く末を担う責務を背負っております。

 なんと悲しいことだろう」

 テーブルの上には、助祭と紳士男エルフの手が置かれ、指が絡みしっかりと握られている。


 助祭など、顔が茹だり目がとろけなんとも情けないおっさん顔をしている。


 そして、厨房の出入り口からいくつもの目が彼らを見ている。


 「う、うらやましい、私も言われたい・・・・」ちんまい子がウットリ彼等を眺めている。

 「お!やっと来たか」ジードがセルジオに気が付き声を掛ける。

 「どうなってる?」

 「変態紳士が助祭をたらし込んでるところだ、あいつすげぇぞ」


 ジードが言うには、王国はセルジオを授爵させ、領地替えを行いこの土地から引き離す算段。

 しかし、両親の墓を守るセルジオが了承しない事をうまく包み晦まし、変態紳士がここに居ればまた会えると言うなんとも俗な話に、いつの間にかすげ換わっていた。

 しかも種族の違いから、悲運の二人というシュチエーションまで追加され話が出来上がっている。


 そしてつい先ほど、助祭が国王に掛け合い、この地に教会を立てて常駐する話まで上がっていた。


 その方面にすさまじい破壊力と突破力を示す、男色紳士だ。

 「・・・・このあと、何されるか心配に成ってきた」身震いするジード。


 「俺、要らなくない?」セルジオが囁く。


 「いや、このまま居座られると拙いだろ、出るんだろ今日? あれが・・・・」

 「たぶん、間違いなく?5~60人程」


 屋敷にいる面々はもう随分慣れてきているが、使節の面々があれをみるとどうなるか、正直予想が付かない。

 『あ、セルジオもどったの?』

 『ニーニャさん、おつかれさまです』

 『まだ疲れてないわよ♪ 荒事担当のケレブレシアはスタンバイOKだけどどうする?』


 『荒事になるのですか?』少し気後れするセルジオ。


 『このまま居座られると、騎士たちの夜伽の相手を出さないといけなくなるのよ』

 最低でも4名の人身御供がいると言われ、セルジオの顔も曇る。

 『ジードさん? セルジオの立ち位置はどうなったの?』

 『あいつは抜かりないな。

 変態紳士が、虐げられているエルフを守護するとても素晴らしい家長ってことにでっち上げてるよ』

 『・・・・凄いわね彼、外交のプロも真っ青よ・・・・』ニーニャも思わずうなっいる。

 

 『おぉ、セルジオ・・・・様ももどったか?』元村長も顔をだす。


 『リリルちゃん大丈夫なの?』『メイドが数名相手をしておる』

 『あれは肝がひえたわねぇ・・・・』


 何だか色々あったらしいが、とりあえずいい方向に進んでるらしい。

 『下見の者が言うには、明日にでも2000人程の兵士が到着するらしい。

 今日は、村まで半日の所で野営を始めたようだ』


 『『『あっ!』』』


 なんだかお帰りの様子。

 どうも司祭が帰りたがっており、助祭が名残惜しそうにしている。


 「クーリンディアド殿、必ず、必ず私が何とかして見せます!

 ですから諦めてはいけません!

 必ずです! 必ず戻って参ります!」


 「マルコ様、無理は行けません。

 あなたの身に何かあれば、私の心は張り裂けてしまう『そんなことはないけど、ジードには慰めてもらうわ』」


 とても悲しそうな渋い紳士顔の目尻に、一滴の涙がキラリと光る。

 「あぁあぁぁぁぁ、クーリンディアド殿ぉ・・・・・」


 腰に力が入らないのか、助祭は騎士たちに両脇を抱えられ、号泣しながら、何度も、何度も振り返り手を振りながら帰って行った。


 ・・・・男色紳士、圧勝であった。


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