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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第一部 一章 墓守始めました
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45話

 セルジオの日常が繰り返される。

 打ち合わせをした日から数日経つが、なんの変化もない日常。


 しかし、変化は突然訪れる。


 「さて、今日は何体埋葬できるかな・・・・」

 最近埋葬を任せているので作業に専念でき、状態が悪い遺体でも60体近くを回収できている。


 この日もいつものように大石を退けると、中型犬程の大きさのインプが蓋の下に座り込んでいた。

 「うわぁ!?」

 『ピキィィ』声も大きい。


 驚いて後ずさりするセルジオに、おずおずと巻物と、シンプルな指輪も合わせ掲げてくる。


 「これを俺に?」

 『ピギィィ!』ハイなのかイイエなのか相変わらず解らない返事が帰ってくる。


 インプの首には自分と同じようなメダリオンが下げられており、ダンジョン内を自由に行き来できるのか、用事が済むと飛び跳ねるようにダンジョン内へ消えて行った。


 「・・・・これ、触るとまた倒れるのかな・・・・」

 セルジオは蝋封をしげしげ見つめながら、きびすを返し、ニーニャさんに相談しようと店に向かった。


 ・・・・


 カランカラン


 「ニーニャさん居ますか?」

 「なんですかぁ? まだ営業時間前ですよ!!・・・・ってセルジオさん?」


 先日、幽霊が持って来たアイテムなのか、手袋をはめトレイに乗せたアイテムを慎重に運ぶ彼女が、振り向く。


 「あのぉ・・・・これ見てくれませんか?」

 セルジオが巻物と指輪を見せる。


 「!!!!! それって、この前の巻物と同じもの? ちょ、ちょっと待ってて 」


 奥に商品を片し、いそいで戻ってくる。


 「うわぁ!! これもドラゴンの皮よ・・・・」

 触れないようにルーペで確認するニーニャさんの口調がいつもより硬い。


 「慎重に開封したいから、セルジオさんの執務室で調べていい?」

 「あ・・・・はい、構いませんよ」


 いろいろ準備があるから先にもどっててと言われ、ポクポク先ほど来た道を帰るセルジオ。


 セルジオは表玄関から出入りするとメイド達が出迎えるのが嫌で、裏口から出入りするのだが、偶々ごみを出しているメイドの一人と鉢合わせし、酷く狼狽ろうばいさせてしまい、何度も頭を下げて逃げるように執務室に向かう。


 ・・・・

 『朝早くからの来訪ご苦労、それでは幾つか尋ねるがよいかの・・・・』

 執務室から元村長の声が聞こえる。


 『ど、どうしよう・・・・けど俺の部屋なんだよな・・・・』

 部屋の前で立ちすくみ、中の様子を窺がっていると、レェブラーシカさんがティーセットをキャリーに乗せて現れる。


 「あら、セルジオさん今日は潜らないのですか?」

 「あ、その、はい・・・・」 二人きりだと何故か緊張するセルジオ。


 「よう!セルジオ なんか巻物が出たって聞いたぞ!」

 「ジード?、さっきニーニャさんに話したばかりなのにもう来たのか?」


 「・・・・? あぁ、言ってなかったか、おれもこの屋敷に住んでるんだぞ?!」

 「え? ・・・・けど合わないよな?」

 「ん? そりゃこれだけ広いんだ、そんな事もあるだろさ、それに俺もそれなりに忙しいんだぞ?」

 「あ、すまん・・・・そんな意味じゃないんだ」


 「で、それが例の物か?」

 「あぁ・・・・」

 セルジオが巻物を小脇に挟んでいる為すぐに分ったのか、触らないようにいろんな角度で眺めている。

 「で、何してるんだ?」

 「いや、来客中みたいだから・・・・」

 「って、お前の部屋じゃん」


 『セルジオさん! お待たせ!!』

 ニーニャが、廊下の向こうから大きなカバンを下げ何人かの従業員を連れて現れた。


 「何してるの?」

 「いや、さっき俺も聞いたんだけど、家宰に来客中だとかで家主が待ってるんだよ」

 セルジオをみながら、苦笑いするジード。

 「相変わらずね・・・・さぁさぁ、入りましょう?」


 背中を押されて入った執務室。


 そこには褐色の肌と笹耳のを持つ二人の戦士が居た。


 

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