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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第一部 一章 墓守始めました
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42話

 セルジオは、いつもと替わらないダンジョンに心底ホッとする。


 元から目立ちたいとか、褒められらいとか思っていない。

 だからなのか、どうにも自分の家なのに居心地が悪い。


 「はぁ、もうダンジョンに住んじゃおうかな・・・・」

静かなダンジョンの中を歩きながら、そんな事を思わず零してしまう。


とはいえ、遺体はまだまだ大量に埋葬しなければならない。

殺し殺され400万体、一月でやっと1000体を越えた程度なのだ。


 「ダンジョンの奥に行けば移動だけで時間掛かるんだろうな・・・・」

 カンテラを掲げ見る。

 ゴーレムの胴体の先は暗闇に閉ざされ見通せない。


 「まぁ、少しずつでも運び出さないとなぁ・・・・」

 カンテラを掲げ見るが、やはり先の方まで骨の絨毯が広がっているだけだった。


 いつもの様に袋に収め地上に運び出す。


 「!?」

 「あ、セルジオさんが出てらしたぞ!!」

 大石の開口部から少し離れて、待っていた男性が立ち上がり向き直る。

 「埋葬はお任せ下さい!」

 そういうと、袋を受け取ろうと数歩近づくが、急に顔色が悪くなる。


 「う、お・・・おぇえええええ・・・・」

 大石の入り口から漂う瘴気をもろに吸い込んだのか、両手を地面に突き激しく嘔吐する。

 「あ、大丈夫ですか?」

 セルジオから近寄り、入り口から彼を遠ざけながらの背をさする。


 「はぁはぁ、少し楽に成りました。

 ありがとうございます。

 さすがセルジオさんですね・・・・」

 周りの男衆も羨望と尊敬のまなざしで見つめている。


 「いや、ただ背中さすっただけだし、気にしないでいいよ」

 セルジオは差し出される袋を受け取り、顔色の悪い男性に「おだいじに」と声をかける。


 周りの男衆は頭を下げ、遺骨と遺品の入った袋を受け取り墓所に向かう者と、嘔吐した男性に肩をかし母屋の方へ向かう者に分かれその場を辞していった。


 背中を見送りながら、『墓所まで運ぶ仕事もとられちゃったなぁ』と少し悲しげなセルジオだった。

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