40話
元物置に戻ろうとすると、みんなに引き留められる。
良く解らないまま、とにかく家の様子を見に行くと既に跡形もなく壊され、更地になっていた。
呆然としていると、ジードが現れ、セルジオの背を押し屋敷に連れ戻す。
とても大きな部屋。
家具は全て新調され、どこかの貴族の様な瀟洒な装飾の施された執務室の様な場所に通された。
ふかふかのベット、天蓋までついている。
部屋の中に、ぽつんとインプがいて、いつものように意味の解らない『ピギィ』とう返事をしてくれるのが救いだった。
今着ているボロボロの服を脱げと言われるが、「これ、どうするの?」と聞くと捨てると言う。
さすがにそれには抵抗した。
初めて見る女性たち。
みな美人だが他人に自分の世話やかれるのは落ち着かず、もういいと言うと悲しそうな顔をして下がって行く。
ベットの横に用意させた籠に服を脱ぐ。
そのまま寝るとベットが汚れそうだからだし、寝てるうちに服を捨てられると嫌なので、枕元に籠ごと置く。 籠ごと置いても十分に広いベットなのだ。
インプがヒョイと籠に脱いだ服の上に飛び乗り、そこで蹲る。
服の番をしてくれるようだ。
「・・・・ありがと」インプを撫でると嬉しそうにする。
セルジオは寝心地のよいはずのふかふかのベットで眠れぬ一夜を過ごした。
もうお大臣様です。
メイドもいます。
総資産は国家予算3年分です。
でもセルジオです。
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