26話
村に噂が広がった。
騎士の姿をした数多くの幽霊が、ザザの家に向かって行ったという物だ。
窓の外を多くの兵士が行軍して行く足音が聞こえたというものもあった。
そしてザザ家の隣人は、窓辺に映る、何度も何度も剣で貫かれるザザの両親の姿を見た。
次の朝、発狂したザザの両親がへらへらと狂った笑みを浮かべながら彷徨うように村から出て行った。
彼らは翌日、嘆きの湖に浮かんでいた。
そして、彼等の主人の家でも異変が起きる。
使用人が次々と事故に合うのだ。
ザザが死んだ日、庭師の意地悪爺さんが庭木から落ちて大怪我をしたの手始めに、厨房で竈が割れ賄いの女中が大火傷を負う。
セルジオに絡んだ家に唯一残った跡取りが兄と同じように姿を消した。
不幸は重なる、失踪の噂が広まる同時期に金貸しの両親が都の株に失敗し莫大な借金を作った。
数日で二つの家が途絶えのだ。
村では墓を荒らした馬鹿者が死霊に祟られたと噂になり、夜出歩く者が居なくなった。
・・・・
「やっぱり呪いかしら?」
最近、セルジオの家にお泊りばかりしているニーニャが話しかけてくる。
「あのぉ、ニーニャさん? 独身の男に家に入り浸るのってまずいんじゃない?」
「え? あ・・・でも、怖いし・・・・」
最近少しふっくらしてきたインプが藁敷のベットの下の箱からひょっこり顔をだし、『ピギィ』と意味の分からない返事をしまた篭る。
「家大きくしないと、俺ずーっと床で寝ないと行けなくなるんだけど・・・・」
「そう!そうよね! 家建て増ししましょ!!
私、セルジオの隣の部屋でいいからね? 足りなかったら私も出すからそうしましょ!」
なんかもう、あなたは嫁ですか?的な発言をかますニーニャに頭を掻きながら、苦笑いするセルジオ。
セルジオのベットは既にファンシーなアイテムが所狭しと持ち込まれ、台所の土間のような場所の端っこにセルジオが寝ているのだが、すでに誰がこの家の主人か解らなくなっている。
「・・・・俺も疲れが取れないから、近いうちにジードにお願いするよ」
そして、今日も深夜に兵士の霊がお礼に訪れ、机の上に財宝が置かれていく。
そんな異常な日々が、セルジオの日常だった。
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