24話
「ハハハハ、なに初心なこと言ってるのさぁ。
さっきからずーっとセルジオを目でおっかけてさぁ?」
「だから、出たの オ・バ・ケ! ほんとだって!!
あなたも泊まっていけば、分かるって!!
なにニヤニヤしてるの?
違うから色々あったんだけど、そう言うのじゃないから!!」
朝からジードがニーニャを揶揄ってる。
あのあと、腰が抜けて動けない為、いっしょに居ていい? 居させてください! と泣きつくニーニャに宿泊を許可した。
すると、漏らしたから下着が気持ち悪いと言い出す。
しょうがないから取りに行こうとすると、女の子の部屋に勝手に入るなと怒り出す。
結局お姫様抱っこ(お尻はぐっしょり)で部屋に行き置いてこようとすると、また大泣きする。
・・・・で、セルジオは寝床を取られ床で寝ていたのだが、キャンキャンと吠える金切声で目が覚めた。
「あぁ、おはようジード。いつも悪いな・・・・」
セルジオは、机の上にある食料を見て彼に礼をいい、水甕から柄杓で水を救い顔を洗う。
「セルジオ! あなたからも言ってあげてよ!!」
「おうおう、もう呼び捨てかぁ熱いねぇ♪ しかも、あ・な・た? 熱い熱い」
耳まで赤くして抗議するニーニャを、からかうジードは楽しそうだ。
「違ぁああああぁぁあうぅぅううう!!!」
耳が痛くなるほどの大声に、寝起きのセルジオの目から火花が出そうだった。
「もういいだろう、今度ジードも泊まっていけよ。面白いものが見れるかもしれないぞ」
耳の中がザワザワする。 セルジオが耳穴を掻きながらジードに呟く。
「・・・・ほ、本当なのか?」
「あぁ」
ジードは疑心暗鬼な表情で佇む。
机の上に貴金属が置かれており、ニーニャがそれを避けるようにしているのが不思議でしょうがない。
「ニーニャは、なぜ大好きなお宝を避けるんだい?」
ジードが疑問の目を向ける。
「え? 別に、避けてないけど? けど、本当に幽霊が持って来たの・・・・それ」
横目でチラリと眺めブルルと身震いする。
「都に行ったとき平気で触ってたじゃないか、なに今更遺品にビビってるんだ?」
セルジオの所のアイテムは元から訳在りだと思っているジードは、やはり納得がいかない。
「何もない靄から、ジャララって現れるののよ? あれ見たら、ただの訳あり品じゃないって解るって! 素手で触るの嫌よ! あなただって呪われたくないでしょ?」
『それって、避けてるじゃん』 思っても口には出さなかったジードだった。
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