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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第一部 一章 墓守始めました
42/256

19.11話

 

 ニーニャが王都で錬金ギルドを訪れていた頃、ゴートヒルでは魔法大学の学園長が災禍を撒き散らしていた。


 ・・・・


「 そこの騎兵! ここは王侯貴族や数多の商家が居を構えるゴートヒルと知っての狼藉か! 」


 午前のまだ高くない日が射しこむ市街門の前で、100名近くの守衛達と魔法大学私設騎兵数百が睨みあいをしていた。

 城門の近くでは、いつもより多くの人々が入門を順番待ちしていた。

 その行商人や使用人達の馬車が横転し、死傷者が周囲の人々の手により街道から離れた場所へと運ばれていた。

 理由は、ゴートヒルには未明からの騒動で戒厳令が引かれており、王都からの増援と賊の逃走を警戒した代官が、市街門はこの場所以外全て閉ざさし当然守衛や衛兵達も増員され装備も非常時体制で臨んでいた。


 黒塗りの魔法大学の紋章が輝く馬車の中から、低い声が聞こえた。

 『 時間が惜しい、押し通れ 』


 銀色に輝く甲冑に身を包んだ騎士たちがまるで操られたように抜刀し、隊列を組んで市街門へと前進し始める。


「 閉門!! 閉門!! 援軍はまだか!!! 」

 隊長格の叫び声と共に、両開きの市街門が閉ざされていく。

 守衛達の目が決死の輝きを放ち、街壁を背に方陣を組む。


 城門の上には弓兵達が陣取り、今にも放たれんばかりに引き絞った弓矢が周りの空気を否応なしに開戦前の空気を醸しだす。


 一言も声を出さず見守る人々、騎兵の馬蹄のみが響き渡る。


 グギギギギギ、ドォン!

 市街門が閉じられ重い閂が掛けられた。


 もう、門外の守衛達に退路は無い。


「 それ以上の進軍は、敵対行為と見なす! 止れ!! 」

 隊長の怒声に何の反応も見せず騎兵は進む。


 緊張がピリピリとした空気を生み、空間を支配する。


「 一斉射、放て!! 」


 騎兵に向け、街門と街壁から雲霞の様に矢が降り注ぐ。


 ザザザザザザザ!!!


 霰や雹が降り注ぐ如き音が騎兵を包んだ。


 ドロロドロロドロロ・・・・馬蹄の音がその音を上書きする。

 銀色に輝く騎兵に落伍者はなく、全ての矢が見えない膜で退けられていた。


 彼等の後方の馬車より、閃光が輝く。


 ズゴゴォォオォ!!

 轟音と共に市街門の真上の街壁に衝撃波が走る。

 見えない巨石が打ち据えた様な窪みが穿たれ、街壁にミシミシと亀裂が走る。


「 退避!! 退避!! 門が崩れる!! 急げ!! 」 守衛達の怒号が飛ぶ。

 重厚だが綺麗なアーチを作っていた門の上部がその自重に耐え切れず、地鳴りを響かせたわみ崩れてゆく。

 騎兵が緩やかに前進し、双方の呼気が聞こえる程に接近した。


「 槍兵構え! 5歩前進!! 」

 方陣の槍衾が前進し、敵を見据えた槍の石突きを地面にし軸足で固定する。


 騎兵は構わず前進し、接敵する。

「 突け! 」

 槍兵の軸足が半歩前に押し出され、綺麗に揃った槍が前列の騎兵を突いた。


 ドン!

 体重の乗った槍の突き、激突する音が大太鼓の様に響く。

 だが、その槍は騎兵の前の見えない壁に阻まれ、槍兵達の足がゴリゴリと地面を削り押し下げられていく。

「 伝令!! 魔法障壁、強固! 通常の兵装ではぁ  ブバァ!! 」

 隊長格の叫び声は、その頭部が吹き飛ばされ最後まで告げる事は出来なかった。


 騎馬が槍兵の方陣に突き刺さり、隊列を保ったまま周囲の守衛達を蹂躙してゆく。

 無言の騎兵の長剣が一斉に振り上げられ左右の槍兵の上へ振り下ろされると、まるで噴水の様に血飛沫が舞い市街門に続く街道に赤い川を作りだした。


 黒塗りの馬車から、仄暗い焔の如き瘴気が吹き上がる。

 ギラリ!と閃光が瞬く。

 それと同時に再び、市街門周辺に衝撃は走った。

 見えない空気の壁が、まだ動ける者を薙ぎ倒す。


 戦況を見守る周辺で悲鳴が上がった。


 市街門の瓦礫と共に、決死の守衛達が天高く吹き飛ばされ、自由落下で地面に叩きつけられる。


 ドン、ドドドン、ボン!! 

 守衛だった物が大輪の赤い花となって地面を染める。


 馬車から声がする。

 『 雑魚には構うな、目当ては旅籠の宝物のみ・・・・急げ 』


 馬車からの瘴気にてられたのか、騎士たちの銀色の鎧もいつしか鈍く黒光りする物へと様変わり異様な一団へと転じていた。



 ・・・・


 厳戒令の出されたゴードヒル市街。

 街民の姿はなく目貫通り通りの路傍には、守衛、衛兵、各貴族の私兵に義勇兵の尽くが地に伏せ血反吐を吐く姿しかない。


 猛烈な瘴気を吹き出す黒馬車の周囲は、朝の陽ざしさえ陰り濃密な死の気配を振りまいている。

 街民達は屋内に引きこもり、興味本位で黒馬車を覗くものは全て昏倒し倒れ伏す。

 その怪しげな兵士等は緩やかに馬蹄を進め目的の建物、” 蔓巻く大樽亭 ”の前に辿り着いた。


 『 ターナーは居るか? 約束の物は用意した。 』

 頭の中に直接響く声が、周辺に響き渡る。

 その声に応え、旅籠の正面玄関が開かれた。


「 これはこれは、学長殿。 朝早くから物々しいご来館、如何成されましたか? 」

 ただ一人矢面に立ち敷地境界ぎりぎり、旅籠の前に立つ執事風の男性が慇懃に腰を折り口上を述べる。


 『 お前に用は無い、ここに居るターナーを出せ 』

 再び、怖気が出る声が馬車から響く。


「 ターナー様ですが、所要にて昨晩より戻られておりません。

 行く先も聞いた者は居らず、いつお戻りになるか当方解りかねます。

 ご用件が有りますれば、わたくしめが伝言をお預かりし、お戻り次第お伝えいたしますが、如何いたしましょうか? 」

 執事風の老紳士は額から一粒の汗が頬を伝い、顎から滴り落ちた。

 しかし、その声に恐れはなく眼光鋭く馬車を見つめる。


 馬車からローブをまとった人物が、禍々しい形状に捻じれ曲がる髑髏を意匠した杖を突き、姿を現した。


 ・・・・


 旅籠の通りを挟んだ建物の2階、ターナーは身を潜めて事の成り行きを耳をそばだて静観していた。

 ターナー達は窓を閉め切り壁を背に息を殺す。


 『 ターナー・・・・この気配はリッチじゃねーか? 』

 『 只のリッチじゃないわね、リッチロード? ちょっとやば過ぎじゃない? 』

 『 う、うん、ミオールさんには悪いけど割に合わなすぎるよなぁ・・・・それにあのコンシエルジュに悪いことしちゃったなぁ、リッチロードにメンチ切らせちゃったよ。それに、何?あの学長一日で人間辞めてるし、勘弁してよぉ 』

 仲間からも、この後対峙するであろうターナーと、老紳士への同情の気配が漂う。

 『 やだなぁ、あんなの前にしたら精神力だけじゃなくていろんな物がゴリゴリ削られるって・・・・』一番体格のいい護衛が愚痴を零す。そんな者を相手に老紳士は背筋を伸ばし慇懃に対応しているのだ。


 ターナーは窓の隙間から、短剣の腹を覗かせ鏡の代わりとして外の様子を覗き見た。


 ・・・・


 『 お前に用は無い、押し通る! 』

 痺れを切らしたのか、馬車から出てきた学長は杖を突きながら敷地へ歩み寄り、フードを掃い素顔を見せた。


 頭には蜘蛛の様な足を持つ茨の王冠。その王冠は空へと突端を伸ばすのではなく、足の様な節くれた切っ先の全てを学長に頭部に深々と突き刺しており、どう見ても頭蓋を貫いているように見える。

 『 ・・・・愚者王の王冠、くはぁレリックだよあれ・・・・でもあれ付けちゃうと王冠に体を乗っ取られるってやつじゃん。 もうリッチですらないよねぇアレは・・・・ 』


 老紳士の前に立つ、元学長。

 王冠から伸びた脚が、別の生き物の様に頭蓋を掻き回している。

 学長の視線は定まらず、眼球が時折左右非対称にグニュリと蠢く。

 顔色は辛うじて人のそれらしい色合いだが、話している端からどんどん土気色へと変遷していた。


 愚者王が老紳士へ手を伸ばす。

 その手が敷地境界を越えた瞬間、変化が生じた。


 ジュワァァァァァァァアアァアァッァ!!!


 愚者王の伸ばす指の先が、一瞬で泡立ち白い湯気をモウモウと吐き出す。

 その激変に、流石の老紳士も数歩交代するが、再び背筋を伸ばし愚者王を見据える。


 歩みを止めない愚者王は、更に手を突き出す。激しい白煙を上げ乍ら指先、手首、肘と敷地の境界を跨ぐ。皮が捲れ肉が削げ、筋が千切れ骨が見える。

 そこまで来て漸く骨は支えを失い、カクリと垂れ下がった。


 愚者王が歩みを止めた。

 そして、手を引き抜くと、異様な動きの眼球でしげしげと眺める。


 『 おのれ、カジミールの技か・・・・忌々しい、こちらが片付けば直ぐにでも捻り潰してくれる 』

 引き抜いた手・・・・白骨に幾ばくかの血糊が残っており、解体されたばかりの家畜の骨の様に生々しく見える。その骨が次第に黒い靄に覆われていく。


 瘴気、学長の体から滲み出す瘴気が骨を覆い褐色へと変質されると、骨の指が再び動き始める。

 瘴気が血肉の代わりとなり骨を動かしているのだ。


 『 うむ、これで動く・・・・ 』

 愚者王が、数歩退く。

 それと同時に、杖を翳し詠唱を始めた。


 『 イオォ・ハーネデス・ハーネデス・此は暗黒に聳える神殿なり、我は愚者の王、その声に耳傾け、聞き従うべし。』

 愚者王の背後、瘴気は更に濃さを増し、渦を巻き真円を描く。

 空中に伸びる円筒の瘴気


 『 対価に贄を、悪鬼よ、出よ! 』

 空中に虚が開き騎士たちが巻き上げられた。

 瘴気の濁流に磨り潰される人馬、甲冑ごと石臼で磨り潰す様に挽肉にされ吸い込まれると、一拍の間をおいて、空中から蠢く臓物の塊が噴き出した。


 ドボドボボボボボボ!!

 瘴気の渦が霧散する。

 その事象と入れ替わるように、吐き気を催す腐臭が周囲に漂う。


 蠢く臓物がグズグズと競り上がり、次第に何かをかたどり始めた。

 皮の無い剥き出しの肉、獣の四肢を思わせる馬ほどの犬の様な何か。


 『 死をもたらす犬・・・・黒犬 』ターナーに心当たりがあるのか、徐に呟く。


 ゴルルルルル・・・・

 召喚された、黒犬が愚者王の傍らに侍る。

 その獣に一瞥も与えず、愚者王が口を開いた。

 『 喰らえ 』

 その命を受けた瞬間、黒犬が老紳士に飛びかかった。


 ・・・・


 ドゴゴゴゴゴゴゴォォォォ!!!


 爆音ともいえる地面を揺るがす振動が、周囲の建物を倒壊させた。

 ” 蔓巻く大樽亭 ”の境界に虹色の幕が立ち上がっている。


 黒犬が爪先でゴリゴリと表面を削るが、虹のカーテンはオーロラの様に揺らめきながら犬の本体を逆に削り取る。腐肉で模られた犬の体が風に舞う塵芥の様に光の粉になって剥がれていく。


 一部天井が吹き飛び、見晴らしの良く成った部屋で、ターナー達は状況を見ている。


 『 すげぇ、瘴気の塊が無害な魔素に戻されてるぞ、あの障壁作った奴は天才だなぁ 』

 いつの間にか、ターナーの真似をして外を見る護衛が呟いた。

 しかし、ターナーの表情は渋い。

 『 すごい魔法だけど、魔力を使い過ぎてる。どこまで持つか・・・・皆戦闘準備しといて 』

 『 ターナー、全力で行かないとコッチがやばいんだけど、請求書廻していいか? 』

 『 ・・・・お手柔らかにね、一応ミオールに請求するけど・・・・どこまで見てくれるか 』

 ターナーが冷や汗を流し上目使いで仲間を見るが、皆肩をすくめる。

 『 ・・・・判ったよ、私が払うから!! 全力で宜しく頼むよ!! 』

 ターナーが半べそをかくが、仲間は喜々として自分の背嚢から装備を取り出し準備を始めた。


 ・・・・


 虹色の障壁に陰りが見え始めた。

 老紳士はその兆候に気が付いていた。

 『 まずいですね、要石が持たないですか・・・・ 』

 老紳士はベストの内ポケットから、メリケンを取り出し両手にはめ、そして声高らかに宣言した。

「 如何に学長という権威のあるお方といえ、これ以上の狼藉は、わたくし”蔦巻く大樽亭”がコンシエルジュ、フォン・ヒューラーが認める訳には行きません。 掛かる火の粉は払わせていただきます 」


 老紳士の姿が揺らぐ。


 ドドドドドド!

 次の瞬間、打撃音の連打が黒犬から響く。

 犬の側面には拳の跡が無数に穿たれ、半身がひしゃげて見える。


  ドドォン、ドンドドドドドド!!

 老紳士の残像が、まるで黒犬を取り囲む様に現れては消え、拳を叩き込んで行く。


 黒犬が一気に萎んでいく。

 馬ほどの体躯が、いまや大型犬・・・・虹のカーテンの力もあり、更に縮んでゆく。


 このまま行けば、然程せずとも黒犬が仕留められる。そう思った瞬間、愚者王が動いた。


 ・・・・


 黒犬と戦う老紳士の傍ら。愚者王は静かに、杖を振り上げ虹のカーテンを打ち据えた。


 バフォオォォォ!!!! シーツを掃うような音を響かせ、虹のカーテンが吹き飛ぶ。

 その瞬間、”蔦巻く大樽亭”の要石に大きな亀裂が走った。


 最大出力で放出されていた魔力が、魔術術式の突然停止の影響で暴走する。

 術式の発動を控え増幅された魔力は、矛先をよりひずみの大きい脆弱な個所へと入り込み魔法回路瞬時に焼き飛ばした。

 無色透明の空中に展開されていた魔法陣が、回路の焼失により魔力の残滓を光の粒に換え散っていく。


しかし砕かれた魔法回路は破綻位置から、即ち杖で強かに打ち据えた所から、決壊した濁流のように噴出した為、愚者王の体を消えたと思わせる速度で吹き飛ばした。


 バン ドン ドドン ズゥンン・・・・ 


 愚者王の体は、直線状にある建物を打ち抜き街壁の内側に強かに打ち据えられ漸く止まる。


 街壁には静かにだが大きな亀裂が幾重にも走り、轟音を立て倒壊する。

 その瓦礫は愚者王を飲み崩れ落ち、その砂埃が砂嵐のように街の一角を覆いつくした。


「 ひえぇ・・・・すげぇなぁ 」

 装備を終えたターナーの護衛達が、愚者王が飛翔した先を見る。

「 俺たちの出番なくね? 」

「 あ、それダメなフラグ! 」

「 え? なにフラグって・・・・ 」

「 東の国ではそうゆうジンクスが有るらしいだよ・・・・ 」

 ターナーが嫌そうに言う。


 目の前では、老紳士が黒犬を打ちのめし、その大きさを子犬程度まで萎ませている。

 しかし、次の瞬間ターナーの言葉通り街壁が吹き飛び、ボロ布が風に靡く様に何かがこちらへと飛んできた。


 ブファォオオオオォォ・・・・


 黒いボロ布に見えた物体は、愚者王。

 足首から先は吹き飛び、頭蓋にも罅が見える。

 左腕も肘から先が見当たらないが、右手の指輪と杖には尋常ではない魔力を感じる。


 『 おのれ、忌々しい。 全てを塵芥に変えて… 』

 空中を漂う愚者王に剣は届かない。


 ピキィィィン

 愚者王の指に幾つもある指輪の内の一つが光る。

 『 お探しの物 魔法大学ガジミールの下にあり 』

 学長の子飼いの研究生からマジックアイテムで声が飛ばされてきた。


 『 なぁぁにぃぃ!! カジミールめぇ!!! 』

 「 ヒャン!! 」


 黒犬の頭が潰され瘴気に戻るのと、ほぼ同時に愚者王の雄叫びが響く。


 『 オオオオォォォォォオオオオオオ!!! 』


 「 隙だらけだ! いけぇぇぇ!! 」

 ターナー護衛隊が、持てる限りの飛び道具やスクロールを使い愚者王に射掛ける。


 「 フレミングファイヤーアロー!! 」「 サンダー・サンダー・サンダー 」

 「 とどけぇ!! 突き抜けろ!!剛弓一閃!! 」


 魔法の煙幕の中、二本同時撃ち。鋭いミスリルの鏃が見えない壁を貫き愚者王に迫る。


 カカ!!

 愚者王が杖で矢を受ける。

 まがまがしい杖の髑髏に突き刺さる矢。


 ピチッ… 杖の意匠に亀裂が入る。


 愚者王が掌の無い腕を振る。


 ゴォオォオオオオオオオオ!!


 上空から凄まじい強風が吹きつけた。


 「 グググググゥ!! 何かに捕まれ!! 」

 屋根が剥され、ドワが吹き飛ぶ。

 商店の看板が千切れ飛び、壁に突き刺さる。


 突風は何度か波の様に襲い掛かったが、至極短時間で有ったのが助かった。


 「 …みんな無事か? 」

 「 あぁ、何とか飛ばされなかったな。 」

 「 まったくなぁ、綺麗に吹き飛ばしやがって… 」


 ターナーのいる宿の屋根は綺麗に吹き飛んでいた。

 「 奴は? 」

 「 王都に飛んでったよ。 たぶん飛んでいく反動があの突風じゃね? 」

 「 はぁ、荷物の一部も飛ばされちゃったねぇ ターナー? 」

 「 …僕のせいじゃないよ!? 」

 「「「「 えぇ?! 依頼受けたのターナーじゃん! 」」」」


 「 うそっぉおぉぉ!! 」


 瘴気ごと吹き飛ばされたゴートヒルの済んだ朝の空気の中、ターナーの叫び声が木霊した。


 

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