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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第一部 一章 墓守始めました
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14話

 来た壁の対面といめんの壁に沿って歩いていく。


 そんな折、ふと、あのガリガリの生物、インプと言うのがどこから来たのか気になった。


 「たぶん、何処かに通れる道があるんだろうなぁ。この部屋だけとかだったら、どうしようもないもんな」


 反対の壁に小さく石の戸が見える。

 崩落した側と扉の距離と、同じくらいをそのまま進むと床に幾つもの影が伸びていた。


 「鎧?潰れてるのが多い。盾とかも落ちてる」


 槍の様な物の木製の柄に触れると、長い時間空気にさらされカビが分解したのか、軽くスカスカした感じになっていて、少し力を入れるとボロボロと折れてしまう。


 金属部分も、ほとんどがモリモリと赤く盛り上がった土塊になっていた。

子供が砂に型押ししたような造形で、当時の形を僅かにし残すのみだった。


 彼方此方にある、赤や緑の小さな土山を試しに触るが、粒子状のそれらは摘まみ上げる事が出来ない。


 「だめだな、持てないと袋が沢山必要に成りそうだ」


 カンテラを掲げる。

 暗くて先が見えない部屋の先の方まで、武器防具の残骸と骨の絨毯が広がっていた。


 「・・・・すごい数」

 見渡す限り、土塊から骨が飛び出す遺体らしいものが延々と広がっている。


 セルジオは腕を捲くり、麻袋にまだ纏まりが有る遺体を次々に収め一体毎に口を荒縄で縛る。

 持って来た麻袋と布袋は各々10枚。


 辺りの土塊も石鋤で掻き集め、個別に判別が出来ない者は布袋に詰め込む。

 石鋤で数回床を掻くだけで、麻袋が埋まってゆく。


 骨を拾う、これもパキパキと砕ける程に状態が良くない。

 腐臭はしないだけマシだが、粉塵となって舞うそれらを慎重に袋に詰めつ続けた。


 程なくして、セルジオは袋の全てを使い切り、石鋤を天秤棒にして袋を下げ外への出口に向かった。

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