表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第二部 二章 生きたダンジョン
241/256

209話

 

 セルジオの横たわるベット、その胸元には笹耳の先まで真っ赤にした少女が顔を埋めている。

 窓のない真っ白な部屋、二人は生まれたままの姿で一枚のシーツに包まれていた。


 消毒液と薬品の匂いのする部屋なのに何故か落ち着く。それは少女から漂う仄かな甘い匂いのせいかもしれない。


「 ・・・・セルジオ様、やっと気が付かれたのですね。 いくら傷口を直しても、どんどん血が流れ出てしまって・・・・わたし・・・わたしは・・・・ 」


 とても整った顔にある眉毛を八の字にし眉間に縦皺を寄せ、クシャリと表情を崩すと綺麗なまなじりからハラハラと涙を零し始める。


 セルジオはそんな彼女の頭に手を乗せて優しく労わるように撫で、優しく囁く。

「 ふぅ・・心配させて悪かったね・・・・くっ、まぁ何とか成ったみたいだけど・・・・ふへ、ここは? 」

 なんとか意識を彼女ではない何かに向けようと必死に自制するのだが、もじもじとする彼女に刺激され、とても困った事になっている。


 インプに盛られた強精剤、疲弊・披露した肉体を虚弱状態から活力を取り戻すための薬であると何故か解るのだが、全裸の美少女に抱き付かれた状態で飲むものではない。

 いや、飲んでも良いのだが、そのつもりが無いのにそんな物を飲んでしまえば、リトルギャングがヒャッポイしてしまう。

 しかも、このダンジョンに落とされ?てからは、セルジオの身体は彼の物ではない何かに変えられていて、そのソーセージがビックフランクになってしまっている。

 それは、今は魔物の腹の中に納まる囚人女性冒険者達に言わせると馬並み?!と言わしめる物なのだが、今の体勢で胸に顔を埋める後ろに特大テントを作っているのだから、セルジオの優しい言葉も何の説得力もなく響く。


「 何処か解りませんが、闘技場から然程離れてません。・・・・・たぶん闘技場の治療室みたいな所だと思います 」

 シルフィアの泣きそうな表情が次第にとろけた様な表情に変わり、甘い吐息とともにセルジオに答える。

 『 ふ、ふがぁあぁぁ・・・・もじもじ禁止!! あちこち、あたってるから!! いろいろ本当にヤバイから!! 』

 心の中で絶叫しながら耐えるセルジオ。

 ヘタレなセルジオ、男なら襲ってしまっているシュチであるにも関わらず、必死に耐える。ひたすら耐える。これでもかというほど耐える。


 そんなセルジオの表情を見ながら、シーツの中でもじもじ蠢くシルフィアは確信犯的淫らな笑みを浮かべセルジオの耳に吐息を掛け囁く。

「 わたしはいつでも大丈夫です。 セルジオ様と一つに・・・・ 」


 直球のお誘い。


 セルジオの鼻から一筋の鼻血が垂れ、ポタポタとシーツに赤い染みを作る。


 『 あめんぼ赤いなあいうえお! 柿の木栗の木かきくけこ!! きつつきこつこひゅぅ?! 』


 この機会を逃してたまるかと言う、肉食系シルフィアが攻勢を掛ける。


 ぐにゅ・・・・ゆさゆさ・・・・

 腹付近につつましい何かが押し当てられ、テントが揺れている。

 「 いや、その・・・・気持ちは・・・・はふ!? わかるけど見られてる、見られてるからぁあ!」


 数匹のインプが、何事かとつぶらな(何を考えているか解らない真黒な)瞳でこちらを見ている。


 「 はぁ・・・はぁ・・・わらしはかまいまふぇん・・・・んん! 」

 とろけそうな淫靡な表情で迫り、セルジオの唇に自分の唇を重ね口を塞ぐ。


 『 んんんんん!!!!! 』

 セルジオは、大きく見開いた白目のない瞳でシルフィアを見る。

 その視線は次第に空を泳ぎ、力が抜けてしまう。

 普通なら逆だろう?!と誰かの叫び声が聞こえた気がするが、そんなことを気にせずシルフィアがセルジオの体に手を這わす。


 ビクビクと痙攣するセルジオ・・・・彼はついに耐え切れず・・・・



 ・・・・


 ・・・


 ブバァァァァア!! 大量の鼻血を吹き出す。

 病み上がりで、血も足りてないセルジオ、異常な大出血で一気に血の気が引いてゆきカクっと首が倒れると気絶するのだった。

 

セルジオ、ノクターンの壁前でギリギリの回避か?!

肉食系女子のシルフィア攻勢はたぶん続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ