12話
・・・・そして、最初の場面に戻る。
両親の塚の傍にもう一つ塚ができた。
石鋤を担ぎ家に戻ると、もう夕刻。
入り口の板を下げ、いつものように水甕から柄杓で水を飲む。
「おぃ、セルジオおるか?」
小屋の戸口から村長の声がする。
「はい」
「今日はどうじゃった?」
「まだ1体だけですが、両親の墓の側に埋葬しました」
最初に踏み抜いた遺体を麻袋に詰め、回収し墓穴に収めた。
どこかの魔法使いなのか、ローブを着た遺体の下半身は無くなっていて半分しか回収できてない。
多分、辺りにあったザラザラしたものが下半身かもしれない。
変わったことと言えば、埋葬した後の石鋤が少し光っているように感じた。
インプはまだ家畜小屋に居て、掃除や家畜の世話を手伝ってくれている。
実際には小さすぎで殆ど役に立っていないが、当人(魔物)は真剣に手伝っているのでそのまま好きにさせていた。
本当は、遺体の回収をするために連れて行こうとしたが、ダンジョンに数歩下っただけで前と同じ状態になり、再び重病人の様に成った為、当面はセルジオは独りで頑張らないといけないらしい。
・・・・・・・・
小屋からダンジョンの入り口は見えないが、その周辺が様変わりしていた。
ジードは大工の息子と言うだけあって、今にも倒壊しそうな小屋や家畜小屋を手直しし、いまは大石を囲む塀を作ってくれている。
ニーニャは埋葬時に掘り起こした古銭を預かり、都に飛んで帰った。
去り際に、「いろいろ買い揃えてくるから、絶対他の人にお店ださせたらダメだからね!!」と何度も念を押し去って行った。
村長はあれから、家に来てはお茶をしてのんびり過ごし帰って行く。
ジードが言うには、村長に成りたがっている村人が居て、その者がどれくらい仕事が出来るか様子を見ているらしい。側で見ていると色々口を出してしまうからとの口実で、セルジオの護衛と監視を兼ね入り浸っているらしい。
そしてセルジオは、いつものようにダンジョンに降りて行くのだった。
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