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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第一部 一章 墓守始めました
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11話


 後々振り返り、この日を境に目まぐるしく環境が変わった。

 どうもセルジオは丸一日倒れていたらしく、村長からも酷く心配され、ニーニャや村長に質問攻めに合うのだが・・・・


 ・・・・・・・・


 ジードが村長を呼びに行き、それ程時間を置かずに二人の人影が、村の方から駆けてくる。


 「はぁはぁ・・・・なんじゃ? 魔物が出たとか言いおって・・・・

 冗談じゃ済まんぞ!・・・・はぁはぁ 」余程焦って駆けつけたのか、村長は汗を滝の様に流し息を切らしている。 それに対してジードはかなり涼しい顔をして、村長の顔色を窺っていた。


 ・・・・インプと目が合う村長。

 「な、なんと!・・・・インプか?!」


 『ピギィ』返事をし、ちょこんとお辞儀するインプ。


 「・・・・確かに魔物じゃが、それにしても小さいのぉ」

 両手で包み込めそうな大きさの、愛嬌の有るインプに毒気が抜かれてしまう。 


 三人から、スクロールと魔物の話を根掘り葉掘りと聞かれ、解る事は・・・・と、夢の話をしながら大石の場所へ向かい、蓋を動かして見せた。


 三人の目には黒い石室のような大石から、とにかく嫌な雰囲気が漂って感じる。


 目に見えない死の気配が溢れる様に漏れ出す。


 「う、ウゲェ・・・・」


 一番近くに居たジードが突然嘔吐する。

 ゲロには赤いものが混じっていた。


 「!!!!」

 咄嗟に、セルジオは急いでメダリオンをジードに掛けると蓋を閉じた。

 ジードを担いで家に運ぶ。

 「医者を!」というニーニャをジード本人が止め、深呼吸をする。


 彼の紫の顔色が次第に元に戻り、呼吸が楽になったようで咽ながらも尋ねてくる。


 「セ、セルジオ、おまえ、あれ、なんともないのか?」

 強い瘴気がゼリーの様に詰るダンジョン。

 そこから染み出す物でさえ、十分に逝ける毒性を示していた。


 「あぁ・・・・それだけじゃなくって、最近、飯をそんなに食べなくても平気になってる」

 最後に食べ物を口にしたのはインプに食料を分ける前、二日ほど水以外飲んでいないが苦にならない。


 「おい、それっておかしいぞ」


 「俺もそう思う。 この石鋤を使い始めてからなんだけど・・・・なんでだろう。

 古いものだから、魔法みたいな何か有るのかもしれないけど・・・・」

 小食で倒れた経験があるセルジオは、とっても便利としか考えてなかったが、異常だと言われればそうだと思う。


 「「「・・・・」」」村長とニーニャが固まる。

 

 「俺って、墓守らしい。 いや、正しく言うと墓守の血筋らしいんだ。

 そして400万程の墓を作らないといけないらしい」


 「そ、それはなんとも・・・・

 夢で請われたのだろう? わしには信じられん話だ」

 村長も冷や汗を垂らしながら、言葉を紡ぐ。


 「あのぉ、とんでもない話なのは分かるのですが・・・・

 これはここに居る私達だけの秘密にしませんか?」

 ニーニャがおずおずと口を挿む。


 「あぁ、俺はセルジオさえ無事なら構わないよ」

 口の中を噛んだのか、プッと血の混じった何かを吐き出しジードも答える。


 「言っても信じてもらえんだろうな」 村長も同意のようだ。

 「私もおじさんには適当に言い訳するから、お店の件、真剣に考えてね?」

 ニーニャは恩を売った気にでも成っているのか前のめりでセルジオに問う。


 少し状況を説明しないと、と気軽に考えていたが、色々と話が進んでいく事に全然ついて行けないセルジオだった。 

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