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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第二部 一章 古の廃城
211/256

179話

やっとダンジョン内といった感じです。


 元々濁りのない真っ白な石質を選び設えられたゴダール城は、一行の眼前に黒い魔城として鎮座していた。

 馬車が数台並列して通れるような強固な構造、アーチ状の石橋は意匠が凝らされ、武骨と縁遠い美しい姿をしていた。

 周辺に掘られた堀は水は抜け、底に溜った泥が臭気を放ち、泥の中に何かしらの生き物がもぞもぞと這い回るのが見える。

 石橋の先には、4mを越える高さの真っ黒な門が有り、全てを拒絶するような威圧感を放っていた。


 調査四日目、そんなキープ入城門前に一行はいた。


 「この門は開くのでしょうか?」

 アレクが門を触りながらセルジオに尋ねる。


 「どうだろう・・・・普通はこちら側に開く?門みたいだけど」

 そんな事を言いながら、セルジオはダンジョン内の黒門を思い出し石鋤で軽く押してみる。


 ガゴン!ジャララララ・・・・


 セルジオはビクリと体を震わせ飛びのく。

 一見こちら側に開く観音扉と思われたが、石鋤が触れた黒門は下からゆっくりと跳ね上がり始め。

 左右の城壁に隠された鎖の様なものが巻き上げられているようだ。


 ドン! パララララ・・・


 金属音が途絶え動きが止まると同時に、表面の固着物が頭上から降り注ぐ。

 そして、門の先、正面階段が姿を現した。


 「閉じ込められると拙そうねぇ・・・・」

 クディが覗き込みながら呟く。

 階段の周辺には幾つもの甲冑が見える。

 「そう言っても調べに来たんだし・・・・やめとく?」

 セルジオは振り向き皆に問う。

 

 パレス内はダンジョン内を彷彿させる濃密な瘴気が漂い、階段のすぐ上は完全な闇に包まれていた。


 「セルジオ様が行かれるのでしたら付いて参ります」

 冒険者達はセルジオを守る様に陣取る。

 「未知の探求は、魔導に限ったことではありません!」

 カジミールはキラキラした目で胸を張る。


 後方では、既にゲロを吐いているアレクが口元を拭きながら情けない声で答える。

 「私は動けなく成りそうなので、此処でキャンプを張ります。

 姫様方はこちらで「「いやです!」」・・・・」

 姫様ズは付いてくる心算らしい。


 セルジオはクディ・カジミール・レシアに目配せする。

 彼らは横に首を振る。

 「サラさんとシャロンさんは此処で・・・・「「そんなぁ!」」」

 こんな時だけハモる姫様ズ。


 縋りつくような視線を向けてくるが、セルジオは認めない。

 『俺だってヤバイと思ってるんだから、そんな目されても無理です!』

 と、きつい視線で睨むと、しぶしぶ了承した彼女等がトボトボとアレクの後ろに下がった。


 「では行きますか!」

 カジミールが軽く疑似石鋤を掲げ詠唱を唱える。


 『これに灯りを!』


 杖代わりの石鋤の先がカンテラの様に光り輝き、辺りを照らす。

 セルジオと冒険者もカンテラに灯を入れ、腰に下げた。


 そして、彼らは朝日の射す黒門から真っ暗な階段を上がって行った。



甲冑ですねぇ、皆さまの想像通りになると思います。

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