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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第一部 一章 墓守始めました
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9.11話


 ゲビンの行方は掴めぬまま数日が過ぎた頃、セルジオがリリルを連れて村長宅を訪れたいと伝えてきた。


 嫌な予感しかしないミオールは、いつでも尋ねて良いと使いを出すと、直ぐにでも訪れたいとのことだった。


 執務室で彼の訪れるのを酷く不安な気持ちで待つ。


 コンコンコン!

 「セルジオさんが来ましたよ」

 マルタがリリルを抱いたまま、執務室の戸を開けた。


 「じっちゃん!!」

 リリルがミオールに飛びついてくる。


 「じっちゃん!! たいへん!! セルジオのおとしゃん おかしゃん 病気!! とうさま かあさまどこ?! いそいで直してって、いって!!」


 マルタの腕の中で大興奮でセルジオの両親を助けてと主張する。


 そんなリリルの様子を見るセルジオの視線が暗い。


 「・・・・セルジオ、ご両親の様子はどうじゃ?・・・・」

 「・・・・たぶん、もう助かりません」


 ミオールの顔から血の気が引く。

 『・・・・儂が巻き込んだのか?!』

 そのままヨロヨロと執務椅子に座り込み、二の句が継げない。


 そんな村長の空気を読めず、セルジオは話続ける。


 「父さんと母さんが病気になった・・・・もうリリルを預かれないです」


 泣いたためか目が腫らしたセルジオを心配そうに見つめるリリルが、村長の方へ行くとむずかりマルタから村長の膝へと移った。


 「・・・・うむ、今まで助かった。後は儂に任せるがよい」

 気休めと言え村長は ” 任せろ ”とセルジオの肩の荷を預かる。


 そんな様子をリリルは村長の膝の上から静かに見ている。


 「ところでしっかりと喰っておるか?」

 痩せこけた少年の姿に胸が締め付けられる思いを飲み込みセルジオを労わる。


 「いいえ、食べる気が起きませんから・・・・」

 セルジオは衰弱して、苦しむ両親の姿をみて食べ物が喉を通らなくなっていた。


 「そうは言わず何か食ってゆくがよい」


 村長もセルジオの気持ちはわかるが、いつ倒れてもおかしくない様子のセルジオに食事を取らせようと意を固めそう告げたが・・・・セルジオはまだ何かを話したそうだ。



 ミオールはセルジオが話し出すのを待つ。

 逡巡するがセルジオは両親が託した財産を村長に差し出す。


 「これを・・・・村長に託しなさいと・・・・」

 セルジオを含む3本の特効薬と僅かな現金。


 村長の受け取ろうとする手が震えている。

 「・・・・特効薬は飲まなかった・・・飲まないのか?」


 セルジオは頷く。

 「たぶん、俺たちは効かないだろうって・・・・父は言ってました」


 村長の顔色が一段と白くなる。

 彼の話では既に嫌がらせが始まっており、両親を含め更に山を登った納屋へともう居を移したようだ。


 「セバスとマリアは・・・・」

 「・・・・父はもう意識がありません。 それに俺が戻ったとしても母も・・・・」

 セルジオの瞳から光が消える。


 村長はリリルを横に座らせ、床を蹴るように立ち上がる。


 気持ちが荒ぶる。

 何としてもゲビンを捕えねばならん。

 その罪はあまりにも重い。


 感情が溢れそうになる。 振り上げた拳を息子夫婦を殺した者に打ち付けたい。

 呼吸が荒くなる・・・・まだだ、まだ・・・・必死に感情を抑える。


 深呼吸をし窓の外を見る。


 家の正面玄関で棟梁の息子のジードが、村長宅中のセルジオの様子を気にしてるようだ。


 『セルジオを大切に思う者がまだ居るではないか・・・・もう失い過ぎた、まだ守る物があるのなら・・・・』

 リリルは怯えた表情で祖父の見つめている。


 ハァ・・・・


 ミオールは大きな溜息を一つ吐きリリルの頭を撫でる。

 「お主らを守れず、何が村長だ・・・・そう思わんか? セルジオ。 リリルもそう思うであろう?」

 リリルは少し戸惑いながらも、にっこり微笑み頷くのだった。

 

   

最後は、ターニャ回に成りそうな予感。

何とか終わりそう;;

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