165話
しばらくエピローグ?です。
カジミールが余熱がどうとか、不安定な流星群がどうとかと止めるのだが、セルジオは一日まてという忠告を聞き入れず、セルジオ村を見に行くことにした。
「「「「「・・・・・・・・」」」」」
彼についてきた面々は言葉が出ない。
地形が変わっているのだ。
湖が出来ようとしている。
嘆きの湖から西側に、クレーターが出来ており湖岸からはもうもうと湯気が立ち昇っている。
そこに、歪に割れた湖の湖岸から大量の水が流れ込んでいる。
村のあった場所は地面が捲れ上がり隆起して村の面影は残ってない。
セルジオはハッと墓所を振り返る。
墓所は北側の斜面であった為、一部土砂崩れで埋まっているものの原形は残っていた。
セルジオは安堵の溜息をつくが・・・・
皇国の兵士は、どんな最後を迎えたかと考えると、少し胸がチクリとした。
後ろを振り返ると、シャロンとサラが顔面蒼白で足が震えている。
彼女達の背中をターニャが摩っている。
セルジオには掛ける言葉が無い。
自国民10万、その中には肉親も居たのだ。
あの特使が頑張ってくれていれば少しは・・・・
そんな淡い期待を持ちながら、これをどう皆に伝えれば良いのか、途方に暮れる。
生き物の気配が待まったくない荒涼な溪谷。
岩と石槫と瓦礫、砂塵が舞う村の方に、白旗を掲げる一団が動いている。
「以心伝心? あれ特使の人じゃない?」
シャロンが弾かれたようにセルジオの指さす方を見る。
「生きてる・・・・生きてる人がいる!?」
シャロンの目から大粒の涙がポタポタと落ちる。
「行ってきな!」
ターニャがシャロンの背中をポンと叩き、押し出す。
坂を下る銀髪の少女。
白旗の一行もシャロンに気が付き、慌てふためいている。
「よかったじゃん 姫さんも帰る場所があるんならさ」
セルジオの側らにジードが立つ。
「セルジオ様の傍らに彼女の場所はありません! ここは私の場所です」
いつの間にかサラがセルジオの横に立つ。
「砂埃が酷いの・・・・あぁ何も残っておらんなぁ・・・・」
元村長が独り言の様に呟く。
「まぁ、食料に木材、石材と資金。
働く人手にも困ってないのだからいいんじゃない?
腕の見せどころよ? ねっ、ジードちゃん?」
クディがレシアと一緒にジードの後ろに立ち、クディ―がジードに抱き着く。
『あおsfはおいううぉえらmんこ!』
ジードの腕や顔に鳥肌が立つが、皆スルーする。
「はぁ、商館をまた立てるの? 何度目?
・・・・はぁ、けど、ここまでさっぱりすると、いっそ清々しいじゃない?」
レラとともに佇むニーニャが零す。
「はい、二ーニャ様。 また建てれば良いだけの話です。次は皇国一の大商人が目標です」
レラがターニャに発破をかける。
「そうね、これまでも十分に稼がせてもらったし、もっと稼ぐわよ! フフフフフ」
不敵に笑うニーニャの側でレラが楽しそうに微笑む。
そのレラに、ほんのり頬を染めて眺めるレシアがそっと擦り寄る。
「しかし、派手に吹き飛ばしましたねぇ セルジオ殿・・・・・ベフ!?」
アレクが空気を読まずセルジオに話しかける。
そのアレクの頭を絶妙なタイミングでシンクロして叩く、ターニャとカジミール。
セルジオはアレクのダメ押しに膝から崩れ落ち地面に手を突く。
「だから、俺の仕事って・・・・あぁぁぁぁ・・・・」
晴れやかな一行の中、ひとり欝々とするセルジオだった。
皇国軍とシャロン縁故の兵士達が見た戦場の様子とバルザードの最後を書きたいなぁ どの順番が良いかなぁ




