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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第一部 四章 そして全ては砂塵と化す。
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158話


 「 べくしゅん!! 」

 セルジオが大きなクシャミをする。


 「あれぇ、お湯に浸かってるのになぁ・・・・」

 セルジオは独り混浴の大浴場でお湯に浸かっていた。

 男湯に行くと、男衆、グレゴ、アレクにジードと非番の兵士等で寿司詰め状態で、気後れしたので人の居ない混浴風呂にやって来たのだ。


 湯浴衣が張り付くのが嫌で、手拭一枚を湯に持ち込み顔を拭い、ブヘェ~っとおっさん臭い溜息をつき顔を湯で洗う。


 「温泉って、いいものだなぁ~」

 貸し切り状態の温泉で四肢を伸ばし寛いでいた。


 ヒタヒタヒタ

 軽い足音が聞こえる。

 「ん? だれか来たのかな?」


 「??! セ、セルジオ様!!」

 湯煙の中、湯浴衣を来た、サラティアの姿が浮かび上がる。

 「!!!あぁ?!えぇ~?! なんでサラがこっちに?」

 風呂にも入ってないのに、真っ赤に茹だった少女が体を隠す様に急いで湯船に浸かり、セルジオの方へやってくる。

 しかも、髪形が何故か縦ロールになっていて風呂に入るのに薄化粧までしている。

 「セ、セルシオ様がこちらに向かった様だと、近衛の者に聞いたので・・・・」

 お湯の中で膝を抱え胸を隠す様にセルジオの側らに並ぶ。

 サラの視線が、なぜかセルジオの股間をチラチラ見ているのはスルーしてあげるべきであろう。


 「・・・・」

 セルジオはサラの胸元に向かいそうになる視線を無理やり背けるが、言葉が出て来ない。

 「セルジオ様は、皇女様のような髪形がお好みかと思い・・・・お嫌いでしたか?」

 真っ赤な顔をしながらも、自分に視線を向けさせようと羞恥芯心が悲鳴を上げるのを我慢し、上目使いで声を掛けてくる。

 「いや、その・・・・の、逆上せそうに成るから、いや、サラが綺麗だからそっち向けない・・・・」

 セルジオは、既に元気になっている息子を手拭で隠す。

 「!? ♪ そうなのですか? 」

 サラがずいっと近寄る。

 湯浴衣が湯をはらんで、胸元が乱れる。


 「うぅ・・・・!?」

 セルジオは一瞬サラの胸元に視線が向くが、自分で自分の頭を無理やり明後日に向けグギ?!と怪しい音が聞こえる。

 「?! セルジオ様、首から変な音が・・・・」

 サラは心配そうに近寄る。

 柔らかそうな内腿が、裾からチラチラ見えている。


 『は、鼻血が出そう・・・・』 心の声はサラには聞こえない。

 サラが更に近寄り、もう肩が触れそうな距離に迫っている。


 タタタタ ドボン!!

 「セルジオ!!! 匿ってくれぇ!!!!」

 「きゃ!!」

 「えぇ?! ひ、姫様!? うぉ?!」


 ドボン!!


 セルジオにずいずい迫るジードが側のサラに気が付き、慌ててひっくり返り湯に沈む。

 サラはセルジオの背中に隠れるように張り付く。

 『む、胸が、胸があたってますよぉ!!? サラさん?気が付いてますか?』

 セルジオは首を痛めて、振り向けないまま心の中で叫ぶ。


 「ジードちゃぁ~ん!!!! どこぉ!!!!」

 クディがオネエ走りで混浴風呂に駆け込んでくる。

 

 ごぼぼぼぼぼ!!!!!

 湯の中から大量の泡が吹き上がる。

 「みぃ つぅ けぇ たぁああああああああ!!!!!」

 クディがジードに飛びつき、背中からがっちりホールドする。


 「ぐぎゃぁぁぁぁぁ・・・・」

 ジードが喉から絞り出すような悲鳴を上げるが、がっしりとした腕に後ろから抱き付かれ青い顔で酸欠状態になっている。

 クディはジードの体を弄り、ジードの目は死んだ魚の目の様に濁りヒクヒクと痙攣している。


 すたすたすた・・・・ チャポン ジャバジャバ


 「結構居るのだな・・・・」

 レシアの姿が湯けむりから現れ、そのまま湯の中をこちらに歩いてくる。

 「湯浴衣はどうもう性に合わん・・・・ん?」

 レシアは手拭一つ肩に掛け、全裸で褐色の豊かな胸をこれでもか!と見せつけいる。

 湯でぎりぎり大事なところは見えないが、湯の中に微妙に見えているそれを直視したジードは・・・・


 「ぶはぁ!」

 ジードが鼻から鮮血を吹き出し、ぐったりする。

 SAN値がゴリゴリ削られていた所に、プラス側MAXのご褒美にオーバーキル状態のダメージを受け真っ赤に茹だってブクブクと沈み始める。

 「あぁ・・・・ジードちゃん、大変!介抱しないと!!!!」

 ジードを抱えたクディが立ち上がるが、二人の湯浴衣はしっかり張り付き、股間の形をしっかり見せている。

 サラとレシアはガン見している。


 クディはジードを攫って、混浴風呂から姿を消すと・・・・セルジオは二人の女性に囲まれる形で固まる。

 「・・・・行ってしまったな」

 「・・・・いってしまいましたね」

 レシアとサラが呟くように言う。


 「はぁ・・・・やっぱり、人が少ない方が、湯浴みは良いな・・・・」

 レシアは下乳を手拭で拭き、汗を拭っている。

 『ぜ・・・・全部見えてますって、俺も男の子なんですがぁ!?』

 セルジオは、首が勝手にレシアの方へ向こうとするのを両手で必死に阻止している。

 そんなセルジオを不思議に思ったサラが背中からセルジオの顔が見える方に出てくる。


 上記した頬にピンクの唇、羞恥で潤んだ瞳の美少女が目の前に・・・・


 グギィ!

 今度は反対方向に首の可動域を越える角度に首を向けてしまい、再び変な音が首から聞こえる。

 「ウグググググ・・・・・」

 首の痛みを堪え、なんとかサラとレシアの見えない方に頭を向けるが、頭を持つ両手の為、股間の手拭が湯に漂う。


 「「・・・・」」

 レシアとサラが、セルジオの湯の中の股間を凝視している。

 レシアはふぅ~ん・・・・と居た感じで見ているのだが、サラは目が血走っている。


 仕切りの向こうから、女性達の笑い声が聞こえてくる。

 「ん? レラ殿の声がするではないか!!」


 ザバァ!!


 思わず視線を向けたセルジオの視線の先に、立ち上がったレシアの綺麗な形の尻が飛び込む。

 「ぐは!!!」痛みの走る軋む首がいう事を聞かない。


 ドボン!!

 視線のやり場に困ったセルジオは、前のめりに頭を湯に沈める。

 ゴボボボボボ・・・・・


 「セルジオ様?!」

 挙動不審のセルジオを心配するサラだが、股間から視線をチラ見してしまうので、彼女も挙動不審だ。


 「ちょっと女風呂に入ってくる!」

 レシアは入って来た時と同じように、手拭を肩に掛けそのまま・・・・仕切りの方へスタスタと歩み出し仕切りをよじ登り始める。


 ・・・・もういろんな所が丸見えで、サラでさえ両手で顔を覆うが、指の間からしっかり見ている。


 「よいしょっと、おぉぉ!!! レラ殿も入っておられたか?!

 こっちには、サラ殿とセルジオ殿が居るぞ! 私はそちらに往くがよいか?!」

 胸から上だけを仕切りの向こうにさらしており、こちらはとんでもない絵になっている。


 女風呂の方で幾つもの湯を掻き分け湯から上がる音が聞こえる。


 セルジオはまだ湯の中でブクブクと泡を吐いているので、レシアを見ていない。


 「レ、レシア様!!はしたないです!!!」

 堪えきれずサラが叫ぶ。

 「ん?!」

 レシアが後ろを振り向き、不思議そうに尋ねる。

 「何か拙いのか? 」

 「それはもう、いろいろと!」


 バタバタバタバタ!!!

 「きゃ♪ セルジオ様が居られますわ!!」

 幾人ものメイド達が、混浴になだれ込んでくる。


 セルジオは息が保たず、顔を上げた・・・・

 視線の先にはレシアのとんでもない裸体が・・・・

 セルジオの強化された精神も臨界を越えた。


 「ゴバァ!!!」

 鼻血が血煙となって白い湯気の中に色を添えた。


 「「「「 セルジオ様!!!! 」」」」


 ・・・・セルジオが湯に沈んでいく。


 即、レシア、サラとメイド達に湯から引きずり出されるのだが・・・・

 温泉の痴女ことレシア、セルジオの逸物の話があちらこちらで囁かれる。

 しばらく領内に話題を提供する事になったのは仕方ない事だろう。


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