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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第一部 三章 再出発
178/256

148話


 「ハハハハハ!! 土ぃ!!」

 セルジオは、ダンジョンの先にある新たな土地を砂塵を上げながら耕す。

 彼は、すこぶる機嫌が良い。


 石鋤で土を抉り、切株毎掘り返してゆく。

 「ハハハハハ!! 岩め! 切株め! 俺を阻むとは何様だ!!!」

 ・・・・久しく土を触らせてもらえなかった為か、性格が変わっている気がする。


 下草を刈り取る手間を省くため、チーム山羊さんもセルジオの機嫌を更に上げている。

 「ハハハハハ!! お日様たっぷりの下草だ!! たらふく喰らえ!!」

 山羊が角でゲシゲシとセルジオを突き上げるがまったく動じず、にこやかに微笑む姿がシュールだ。


 耕した畑のあぜ道で石鋤を地に突き仁王立ち(膝裏を山羊が付き上げるのでカクっとなりながら)周りを見渡す。

 四方に散った調査班が、ベースキャンプに戻っては地図を作り上げてゆく。

 炊き出しの準備に、セルジオ家のメードの姿も見える。

 そして・・・・先日から出入りする冒険者達が牛程のトカゲを狩り冒険者組合セルジオ外苑出張所へと獲物を持ち帰ってくる。


 数名の冒険者や捜索隊の人達が、セルジオを見つけ会釈する。


 僅か10日程で、既に村のような雰囲気が漂う新ダンジョン内の一次キャンプ。

 現在確認されている半径5kmは安全圏、その向こう側には危険生物の繁殖が確認されているが、同時に鉱物採掘かのうな岩山がところどころ地表に現れており、埋蔵量は未知数。

 外は冬にも関わらず、亜熱帯を思わせる温暖な気候・・・・極寒の冬の山村?から一気に南国レジャーを楽しめる状況に、入植希望者のみならず、是非一度見てみたいと物見遊山の数寄者が殺到しているのだ。

 (外苑側には信用の置ける人物以外はゲートを括らせていないのだが・・・・)


 セルジオがゲート付近を見る。

 丁度、大量の樹木がキーストーン周辺に集められ、光のベールの向こうへ運び出されてゆくところだった。


 ・・・・


 木材とそれを運び出す荷馬車がセルジオ領内地側に出現する。

 山肌を少し下った場所に製材所が作られ、幾人もの職人が製材作業をしている。

 製材所から見下ろせる湯殿の屋根、冷たい外気に湯煙がなびく。


 そんな中、セルジオ仮館に奇妙な一行が向かっているのが見えた。


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