127話
カール王は憔悴しきっていた。
不運な事に彼の座っていた場所が、ダンジョンの管理者が顕現した場所に一番近い場所だったのだ。
カールは見た。
黒い薄絹か、靄が布になった物か・・・・外套の裾はボロボロに擦り切れ、風も無いの棚引き、解れて千切れ飛ぶ欠片が靄となって消えて行くのだが、裾の丈は変わらない。
『 カールよ、無用な介入は身を滅ぼすと知れ 』
フードの奥、王冠を冠した髑髏の目の虚から何かが見据えているのを感じる。
カールの、生き物としての本能が見つかれば狩られる!動くな!と告げる。
しかし尻もちを突き、両手を後ろに付いている体勢で震えは止まらず、両足が床を擦る様にビクビクと小刻みに動いている。
膨大な魔力を浴びた気がした。
『呪いを受けた?!』
そう思える程の威圧をカールは感じたのだ。
胃が強く締め付けられる。
口の中で血の味がする。
眩暈と悪寒が襲いかかる。
カールは震える手で口の中を調べる。
どこも切れていなが、指先に唾液と一緒に血が付いている。
『あぁ・・・・呪われたのか、王国やゴートの家名を優先すれば軽く潰されるだろうな・・・』
そう思えた、感じた、体験したのだ。
実は呪われてはいない、しかし、カールは自分で自身に強い暗示を掛けてしまった。
カール回は一応の目途がついたかも・・・・
ダンジョンの変化:135位までにはお披露目できるといいな。




