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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第一部 三章 再出発
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126話


 頭が真っ白になり、その後セルジオが何かを一緒に見て欲しいと言った気がする。

 しかし、カールは何が起きているか理解できなかった。


 目の前が暗くなったかと思うと、大軍の進攻真っ只中に立たされていた。

 瘴気と、かび臭いダンジョンの臭いを嗅いだ気がした。


 しばらくすると戦闘は激化し、カールの目の前で何人もの兵士が惨殺されていく。

 ダンジョンを攻める兵士達、それを迎え撃つスケルトン。


 優勢に進むかに思えた戦況がおかしくなり始めたのは、灯が消えてから・・・・

 湧くように出てきた、黒いスケルトンの参戦で乱戦になる。

 死人喰しびとくいのグールが出始めると戦線が更に混乱し次第に崩壊しはじめる。

 そして、潮目が変わり始めた戦況の僅かな希望を踏み弄る様に出現したゴーレム・・・・


 ・・・・兵士の首を刈る黒いスケルトンと目が合った。


 『や、やられる!?』


 直接、命の危機を感じたのは何時振りだろう・・・・

 目の前の黒いスケルトンを魔法使いが吹き飛ばす。


 暗黒の門が次第に閉まっていく。

 『助かった・・・・』

 カールは訳もなくそう思った。


 思ったのだが・・・・しまったはずの漆黒の門が、再び開きはじめる。


 門の直ぐ後ろに控えるゴーレムの目がチカチカと光るのが見える。

 「わぁわわわぁ・・・何とかせい!! 奴が出てくるではないか!!!!」

 カールは声が出ているのに気が付かない・・・・


 広がる扉の隙間、間近に佇むゴーレム・・・・

 前線の兵士が生唾を呑みこみ、気持ちを奮い立たせる後姿が次第に暗くブラックアウトしてゆく。



 部屋が明るくなっていくが一点のみ黒い靄が掛っている。

 先ほどの景色が本物以外の何物でもなかったように感じたため、黒い靄も実物の様に感じる・・・・

 黒い靄は、ちっさいインプの周りに集まり、次第に漆黒のローブを着た人型を取り始める。

 部屋の室温が急激に下がっていく。

 皆の吐く息が白い・・・・


 影が口を開く。


 「我は夢現ゆめうつつのダンジョンの管理者である。

 当代墓守に告ぐ。

 かつて虐げし墓守にまずは謝罪を。

 血脈が残りし事に感謝を。

 そして、嘆願を聞き入れ励む者に親愛を。


 墓守の働きにより僅かずつだが、力が戻りつつある。

 我ら夢現の者、嘗ての王国の栄光を蘇えらせるを望むならば、助力を惜しまず。

 これより一月の内に、一部のダンジョンを開放す故、強き者を集めるがよい。



 そこに居る古の血筋の残滓、支流の者に告ぐ。

 そなたの統べる王国は仮初、セルジオの統べる王国と非なるもの。

 カールよ、無用な介入は身を滅ぼすと知れ。



 墓守のセルジオよ。

 親愛の証にメダリオンを送った。

 よきに使うが良い。


 セルジオに告ぐ、汝に災厄が迫っておる。

 過去に、お前の血筋を絶やそうとする災厄が、再び訪れる。

 汝は彼の者の庇護を受けた故、死は避けて通るであろうが・・・・ 

 失うものを繋ぎとめる為、備えられる全ての備えを持って万事に備えよ。


 努々忘れる事無かれ・・・・」


 部屋の中の黒い靄が、日を浴びた霧のように消えていく。

 映像ではなく、影の者の実在した証。


 影の人影の立った場所に濡れた足跡が・・・・

 話をした人物がそこに居た事を示していた。

感想・評価など おまちしてます。


4章の伏線?w

これから、3章後半に入ってゆきます!

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