120話
「それで、なんて書いてあるのですか?」
セルジオの問いに、元村長が答えた。
「そうじゃの、大きく分けて三つ。
都の商工会に蓄えた資材を全てこちらに送らせたらしいのぉ。
すでに都を発っているので、こちらには・・・・数日後に着くじゃろう。
それに、王国兵を一部こちらの警備を担当させるとも書いてある。
グレゴリアルが物資と共に来るそうじゃ・・・・
その買い取りと駐留経費は金が無いからこちらで見て欲しい・・・・と遠回しに書いてあるの。
・・・・それと、サラスティアを頼むと・・・・最後のが本文より長いのぉ」
元村長もなんとも言いにくい顔をセルジオに向ける。
「いいじゃんか、セルジオ! 元村長?何とかなるんだろう?」
「まぁ費用に関してなら、まったく心配いらんな・・・・
ニーニャ殿、荷受けは頼んでもよいかの?」
「えぇ、構わないわ。
でも、私のとこにもギルド創設の書簡が来てるの・・・・・
ここを離れられないって返信したら、セルジオ領にギルドを作って良いって書簡が・・・・」
おもむろにレラが書簡を取り出し、テーブルに広げる。
「これはまぁ、王様もなかなかやるじゃなぃ?」
クディがニヤリと笑う。
「どうゆう事なんだ?」
ジードがクディに聞く。
「ん? えっと、まずは授爵の件をなし崩しに認めさせている点かしら。
現村長をすっとばして、セルジオ本人にその権限を授けているわね・・・フフフフ。
それに、この村の名がセルジオ村になっているし、この一帯の領主の対応が悪かったから既に更迭されてここがゴートフィッシュ領って事に成ってるわねぇ・・・・フハハハ。
セルジオちゃん、あなたもう公爵扱いよ。
それに、グレちゃんが王国軍を首になってて、こっちで面倒見ろってさ・・・ハハハハ」
「はぁ・・・・」
良く解らないセルジオは生返事しかできなかった。
いつものようにセルジオの回りで、本人の同意なしにいろいろ進んでいるのだった。




