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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第一部 三章 再出発
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116話

 大量の骨の溜まりプールを振り返り、大きく溜息をつく。


 「一回黒骨を避けて、白い骨だけ回収だよな、たぶん。 けど、どんだけあんだよ骨・・・・」


 黒い骨も凄まじい数がある、全部集めると数体?数十体は1セットにでるだろうが動くものだろうか。

 そんな事を考えるセルジオは再び足跡を注視する。


 昇りのスロープの途中の壁に寝かされたような跡がある。

 「ここで治療を試みたんだな・・・・それで・・・あぁぁ。

 たぶん死霊憑きになったんだな、また襲われてる」


 スロープの上に向かって、歩幅の広い足跡が二人分が二組。

 前の足跡を崩す、それを追う足跡が一つ。


 「もう、3対2かぁ逃げないと詰んでそうだな。

 戻りの足跡はなかったし、終わってるんだろうけど・・・・死霊憑き5体は嫌だなぁ」


 セルジオは坂を上がり、足跡が逡巡している。

 結局奥へと走りさる足跡を追うもう一組の足跡。

 それを迷わず追う足跡が一つ。


 いずれも更にダンジョンの奥へと消えている。


 「うぅ~ん、突然あの死霊憑きに襲われるとヤバいな・・・・

 先になんとかしないと片付けできないし、そこの所ダンジョンの人はどうなんでしょう?」

 大声を上げるのは怖いので普通に独り言をいうのがだ、当然答える声はない。


 セルジオは、一人で5匹の化け物(もと人間)を相手にする程、腕に自信はない。

 だから焼き払う酒瓶を取りに戻る事にしたのだが、だからといって正面きって死霊憑きと戦う気もない。


 悩みながら、正面通路を門に向けて戻っていく。


 カシャ・・・カシャ カシャ

 ダンジョンの奥から乾いた音が聞こえてくる。


 「!!!?」


 セルジオは振り向きランタンを翳す。

 僅かな残響音と共に、確かに何かの動く音が聞こえる。

 姿はまだ見えない。


 ダッ!! 


 身軽に成るため、腰に提げていた麻・布袋などその場に捨て、門へ走る。


 乾いた足音をセルジオの足音が塗りつぶす。


 「はぁはぁはぁはぁはぁ・・・・」

 心拍が早くなる、それでも後ろを振り返らずひたすら走る。


 漆黒の門が闇の中から浮かび上がる。

 勝手口のような通用門・・・・


 「!? 門の向こうに人がいる?」

 走って向かう門の先に、先ほどからチラチラとカンテラの灯が見える。

 そして、門のこちら側には・・・・


 セルジオのカンテラで影が揺らぐ物影・・・・

 床を這いながら通用門に向かう、死霊憑きの姿があった。

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