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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第一部 三章 再出発
145/256

115話

 漆黒の門を潜ると更に広大な空間が広がっていた。


 床のあちこちに小山があり、足元がザラザラとした感触を伝えてくる。

 過去の大戦の跡が漆黒の門内部にも残っていた。


 足跡を辿る。

 インプの足跡は、通路の真ん中を一直線に行き来しているが、冒険者の足跡が迷走している。

 セルジオは迷走した理由が気になり、冒険者らしい足跡を追う。


 ランタンの灯で見える範囲だけでも 大人が5名で手を繋いでも届かない大きな柱が整然と並び天井の見えない空間を保持している。

 柱には大小様々な傷が付き、床面にも穿たれた跡が目立つようになってきた。

 左右に一段下がるスロープが等間隔で設置され、下段には何やらいろんな物が落ちているように見える。


 セルジオが足跡を追う。


 足跡は、スロープを降り、何かの屑が堆積した場所に向かっている。


 「・・・・!!これは、人骨?」


 セルジオが降りたスロープの先に広がるのは一面の人骨の海。

 風化して触れるだけでサラサラと砂になる人骨の中に。漆の様に黒に塗られカンテラの灯に輝く頭蓋がそこら中に散乱していた。


 明らかに加工された人骨。

 手に取ってみると白い人骨と違い砂にはならない。

 慎重に透かし覗くと、頭蓋の内外に何かの呪文が金色の文字で描かれ、手で触れる度に僅かに光る様子は漆黒の門と同じものに思える。


 セルジオはカンテラを掲げ辺りを照らす。

 一面に黒光りする骨が宝石の様に見える。

 人骨は全て損傷しており、まともな形状を保つものは一つもない。

 

 そんな中に踏み入った跡が残っていた。


 「・・・・何かあったのか? 歩幅が広くなってる・・・・」

 乱れる足跡に、血の跡が見える。

 激しく飛び散る血飛沫は何か刃物で切り付けたようだ・・・・


 足跡を見る限りでは、何かが襲ってきた様に見えない。

 「5人中・・・2人の動きがおかしい」


 足跡を更に辿る。


 黒い血の跡が尋常じゃない場所に差し掛かる。

 「・・・・この出血量じゃ、助からないだろう」

 足跡が乱れ、降りた側の対面にあるスロープに向かい何かを引き擦った跡が続いていた。

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