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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第一部 三章 再出発
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113話


 ダンジョンの奥へと歩いているセルジオ。

 カンテラの灯が彼だけを闇の中から浮かび上がらせている。


 「結構あるな・・・・」

 壁に左手に見ながらひたすら歩く回廊。

 足元を確認しながら慎重に歩いていると言っても既に半刻ほど経っている。


 ・・・・

 少し前


 「セルジオ様!? わたくしはお傍にいては、いけないのでしょうか?」

 サラが上目使いでセルジオを見つめる。

 「私もセルジオ殿が単独で探査に向かうのは良い考えと思えないのですが・・・・」

 「って、みんな言ってるわよ? セルジオちゃんはどうしたいの?」

 クディが判断を迫る様に話しかけてくる。


 「・・・・やっぱり、一人で行きます。

 ダンジョンのトラップ避けのメダリオンがあるし、いざとなれば走って逃げますよ。

 それに、これまでは一人でしたから、気にしないで下さい。」

 セルジオはゴーレムの足の下の残留物を詰めた袋をクディに渡し、この後しばらくダンジョンに籠ることを皆に伝えて欲しいと言伝をして、彼らを見送った。


 今日こそ、回廊の先を目指してみよう・・・・

 セルジオはランタンの油の量を確認し、左手沿いに奥へと向かうことにした。


 ・・・・ 


 ランタンの灯に幾つのも石礫いしくれの影が揺れて見える。


 「あ、また・・・・」

 完全に破壊されたゴーレムの残骸が次第に散見される。

 石戸の大きなゴーレムに対して、このあたりに見られるのは人と同じくらいのゴーレムである。

 しかも石の体だけではなく、頭部が砕かれ欠落したものばかり。

 古代の兵士が決死の覚悟で奮闘したのだと解る。


 「まぁ、あの大きなゴーレムだったら簡単には砕けないな・・・・」

 セルジオの隠れ家付近にかき集めたゴーレムは3体。

 いずれも大型で、剣や斧ではビクともしない重量感満載の物だったが、足元に転がるゴーレムは両手剣で頭を砕けそうな大きさだった。


 不意に圧迫感を感じランタンを翳す。


 つや消しの黒く重厚な扉。

 扉は天井の形と似ており大きなアーモンド形に窄まり、ランタンの灯で時々門に刻まれた文字を照らし出す。

 セルジオは巨大な門の存在感に気圧されてただ眺める事しか出来なかった。 

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