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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第一部 三章 再出発
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111話

 ダンジョンの入り口には、既にクディとアレクが待っていた。


 「セルジオちゃん、さっきの声援は凄かったわねぇ」

 アハハハハァと笑うクディが冷やかし半分の口調で、セルジオをからかう。

 「クディさん!からかうの、止めて下さい! 本当に恥ずかしかったのですから・・・・」

 セルジオが止まらない冷や汗を拭い、少し胸をなでおろす。


 「ところで、セルジオ殿後ろの御方は・・・姫様?」

 アレクセイは一目で王女と判らず思わず尋ねてしまう。


 「アレクセイ司祭様、その節は・・・・ お初にお目に掛ります、クーリンディアド殿。

 わたくし、サラスティアと申します」


 「あぁ、サラスティア殿下その節は・・・」

 「これは、ご丁寧にどうもぉ、クディって呼んでよくってよ♪」

 クディは王女としてではなく普通に接する彼女に、同じ様に気軽に話しかける。

 「では、わたくしもサラとお呼び下さい」

 ニコリとほほ笑む彼女の立ち姿はとても様になる。


 「それで、サラは何のご用でこちらに来たのぉ?」

 クディの目が少し鋭い。


 「わたくしも、セルジオ様のお手伝いしたくて、伺いました」

 「えぇ? セルジオちゃん、そんなこと許したの?」

 「いや、許しては無いけど・・・・人手は欲しいし、でも、たぶん無理でしょ?」

 「・・・・そういえば、なんで彼女なんともないのかしら?」


 ダンジョンの入り口の間近に4人は居るのだ。

 「わ、私よりも耐性をお持ちなのでしょうか・・・・セルジオ殿?」

 「お、俺に聞かれても、解りません!」

 「クディ殿はお判りになりますか?」

 アレクが執拗に尋ねてくる。


 「えぇ・・・・何となく判るわよぉ。

 そのティアラとネックレス、イアリングと指輪・・・・全部魔力を帯びてるわねぇ。

 借りてる指輪と同じ、守りの護符が刻まれてるのかしら・・・・」

 クディは身に付けている古代の遺品の指輪に視線を移す。


 「あのぉ、わたくしのお話の様ですが・・・・何かおかしな所があるのでしょうか?」

 「そうねぇ、サラはそのままそこに居てくれる?」

 「はい!」

 「セルジオちゃん、論より証拠、入り口を開けて頂戴」

 「セルジオ殿、お待ちを・・・・」


 「・・・・サラさん? 拙かったら言ってくれる?」

 「はい!」


 ズズズズズ

 石室の上の大石が、石を擦る重い音と共に虚ろな入り口を広げていく。


 結局祝福が効かず、瘴気酔いで最近おなじみのアレクセイが、オェ~と嘔吐している。

 それでも彼は何とか持ちこたえている。

 そしてサラの取り巻きの近衛兵も、ダンジョン入り口付近に居たためか、蓋が開くと共に数人が泡を吹いて倒れ、動ける兵士が嘔吐しながらも倒れた兵を引き擦り、安全な場所まで下がっていった。


 そして、サラは・・・・


 「どうか、いたしましたか?」などと言い、アレクセイの背を擦っている。


 「本物じゃない・・・・セルジオちゃん彼女もしかして適任?かもよ」

 「お手伝いお願いしても良い物でしょうか・・・・」


 「いいんじゃない? 彼女が手伝いたいって言ってるのでしょ?

 でも、暗がりで二人きり・・・・って、危険な響きねぇ♪」

 「・・・・またですか? クディさん」

 セルジオが、からかうクディに冷たい視線を向ける。


 「あらぁ、ごめんなさい♪ でもゴーレムの件もあるから当面私達も一緒に潜るから4人チームね?」

 「クディさん・アレクさん・ありがとうございます。

 サラさん? 合格です。

 一緒にダンジョン内に降りて頂けますか?」


 「は、はい! もちろんです!!」

 彼女は満面の笑みで答える、その手の先には嘔吐するアレクの情けない顔があった。 

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