105話
幼女の話を真剣に、しかもメモを取りながら傾聴するサラ。
「レラお姉ちゃんは、じょしりょくが高くて、セルジオ兄ちゃんが一番好きなタイプなの。
だけど、レラお姉ちゃんはかっこいいオジサンがタイプなんだよ。
だから、セルジオお兄ちゃんは残念なの。
あと、オッパイも好きみたい。
ときどきレシアお姉ちゃんのオッパイみてるの」
「レシア様とは?」
「うんとねぇ、えっとぉ、ケレブレシアお姉ちゃんっていう、かっこいいエルフのお姉ちゃん。
レシアお姉ちゃんはレラお姉ちゃんが好きみたいにしてるけど、私はクディおじちゃんが好きなんじゃないかなぁっておもうんだ。
これも内緒だよ?」
「は、はい!」
「それでね、マーニがね、オッパイないならお料理で男の人を捕まえるといいんだよって言うの」
「そ、そうなのですか?」
「うん、だってレラお姉ちゃん、とってもお料理上手だもん」
急いでメモるサラ。
「だから、おっぱいなくてもチャンスはあるんだよ! にへへ♪」
得意満面の笑みでサラに教えるリリル。
「あの、リリルさん? おっぱいもお料理も自信の無い時はどうすればよろしいのですか?」
「そう! そうなの! リリルも今、レアお姉ちゃんが作ってるお料理をみて、けんきゅうしてたの。
でもね、あんまり時間をかけるとダメなんだって!
マーニがね、もたもたしてると、おっぱいの大きなお姉さんにセルジオお兄ちゃんが取られるって言うんだよ! ひどいよね?
おっぱいの大きな女の人って、めぎつねって言うんだって、マーニも知らないんだけど、キツネっておっぱいおおきいのかな?」
リリルの頭の上にクエスチョンマークが沢山浮かんでいそうだ。
「キツネさんとは違うと思いますが、あとで調べておきますわ。
それで、リリル様、どうしたら良いと、お思いですか?」
幼女の教鞭に真剣な眼差しを向けるサラ。
いつのまにか、リリル様に格上げされている。
・・・・リリルは5歳児である。
「うん! とっておきの内緒だよ? だれにも言っちゃダメだからね、にへへ♪
ずーっと一緒にいると、あいをはぐくむ?んだって!」
「一緒でございますか?」
「うん! あ、はぐくむって何? マーニもしらなかったの」
「わ、わたくしも存じ上げませんわ・・・・」
目が泳ぐサラ。
「あ、あとでお調べして、おしらせしますね」
「うん! おしえあいっこしようね♪」
「は、はい!」
5歳児を煙に巻き、罪悪感が心を苛むサラ。
『殿方の心を射止めるには、弱肉強食なのですわ! リリル様』そう心の中で呟くサラだった。
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