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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第二部 王国の食指
119/256

90話

 執務室が妙な緊張感に包まれている。


 先ほど元村長からの爆弾発言。

【隣国が攻めてくる】を聞いた一同は、どうすればいいの?といった雰囲気に呑まれていた。


 「その情報の信憑性は?」

 クディが元村長に詰める。


 「うむ、複数の情報筋からのものと、状況証拠での。

 しかし、まず間違いない。


 先々月の中頃、金の流れのおかしな都に、隣国の商隊が入っておったらしい。

 たぶんその商隊は確認の為に、ニーニャ殿の所でゴダール金貨を求めておるはずじゃ。


 そして、都を活動の拠点にする小隊が隣国から村に寄る途中、その小隊と一晩宿が一緒でなぁ。

 キナ臭い話を隣国の商隊の一人から聞いておったのじゃ」


 「そんな話を何処から仕入れ・・・・って聞いていい?」

 今度はニーニャが食いつく。

 「ん、噂話といえばターニャ婆さんに決まっておろう?」


 この村の常識では【噂好きのターニャ婆さん】に聞けば粗方の情報が揃う。

 だが、商人達に言わせると「ターニャ婆さんの耳は一日1000里を駆ける」と真顔で答える程の諜報ちょうほう能力なのだ。

 名前が似ている為、ニーニャも知る村の広場の花売りの婆さんなのだが、花を買う時に小銭を渡し世間話をすると、そう言えば・・・・と的確に欲しい情報を聞かせてくれるらしい。


 ちなみに、ターニャ婆さんがセルジオ家の生花の仕入れ先で、元村長がいつも大目にお金を払う為、セルジオ家には常に、各方面の最新情報が届けられていた。

 ・・・・世間話の相手役は、なぜだか気に入られたレェブラーシカであるが・・・・


 「あぁ、話好きのターニャお婆ちゃんね・・・・

 う~ん、よく分らないけど、彼女の話って外れないのよね・・・・」

 納得したくないけど、了承するニーニャ。


 「そう言えば、レシアの捉えた盗賊はターニャに預けたと言ってたな?」

 「あぁそうだ!

 レラ殿と同じホビット族の女の子だ。

 あちこちに使いを出されておって最近姿を見て居らん・・・・非常に残念なのだ・・・・」

 ほんとに残念そうなレシアの背をニーニャがポンポンと叩く。


 「すまん話がそれた。

 それでと・・・・そうそう、商工会と姫様は地理的な問題でまだ知らんだろう。

 隣国は既に国境を越え真っ直ぐこの村を目指して居るようだ」


 ガタ!


 クディが応接台を揺らし立ち上がる。

 「すでに戦争が始まってるじゃなぃ!!」

 声を荒げながらも、クディの目がもう次の手を考えている。


 「うむ、最初の二つが、どうでも良いレベルじゃよ・・・・

 隣国にしてみれば、揉めてでもダンジョンを、手に入れたいのであろうのぉ」


 「戦争などしても、民が疲弊するだけだろうに・・・」

 レシアも何かを噛みしめるように呟く。


 「でじゃ、セルジオはどうするのじゃ?」

 一同の視線が、セルジオに集まる。


 『やっぱり、俺が決めるの?』

 みんなの視線が痛い、石鋤を持ってダンジョンに立て籠もろうかと考えるセルジオだった。


 

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