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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第二部 王国の食指
112/256

83話

 そして、81話の頭に戻る。


 オカマとニーニャのすったもんだの軍配はクディに上がり、上機嫌の彼は、妙にアレクセイにくっついて歩いている。

 背嚢いっぱいの酒も、「こんな重い物持てないわぁ」などと言っていたが、アレクセイが「私が持ちます!」と意気込み、二つの背嚢をフラフラしながら背負うのを見て、ひょいと取り上げ澄ました顔をする。

 下心がガッツリ見えるのが痛い。


 セルジオが二人に指輪を渡し、指に嵌めるのを確認して石室の蓋を開けた。


 モアァ・・・・

 これまでより濃い瘴気が立ち昇る。

 アレクセイとクディが少し嘔吐えずくが、その程度で耐えて見せる。

 ちなみに、警護兵と男衆が遠巻きに見ていたが、いずれもその場で吐いている。


 先に背嚢を慎重に入り口をくぐらせ、それぞれが準備したカンテラに灯を点け一行は坂を下って行った。


 ・・・・


 「それにしても臭いわねぇ・・・・」

 「そうですねクーリンディアド殿」

 「もぉ、クディって呼んで、アレちゃん」

 「アレ・・・解りました」

 セルジオの後ろで、微妙にイチャイチャしながらついてくる二人を先導し、例の石戸に辿り着く。


 石戸の縁には、磨り潰された肉塊を見た二人の表情が固く成る。


 「じゃ、少しだけ開けます」

 セルジオが石鋤で押すとズズズズと重い音と共に、石戸が拳二つ分程開いた。


 「「「・・・・」」」


 石戸の向こうは漆黒。

 何の気配もない。


 「もう、居ないのかな?」

 セルジオがカンテラを掲げ、石戸に近寄る。


 隙間にカンテラを寄せて、中を照らそうとしたその時。


 グワァ ワサワサワサササ


 戸の隙間から黒い瘴気と共に、何本もの腕が噴き出す様に現れ、セルジオを掴もうとした。

 

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