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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第二部 王国の食指
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77話

 会議は続く。


 「次は、各担当からの報告を聞きたい。

 まずはジード、工作物の状況はどうだ?」

 相変わらず厳めしい口調の元村長。


 「はい! 慢性的な宿不足が続いています。

 数日中に、セルジオ家の従業員宿舎一棟が竣工!

 遅れて一週間以内に三棟が竣工予定です」


 「上々!

 当面来訪者用の宿として流用する。

 続いて、井戸の掘削はどうなっておる?」


 「はい! 土工事に長けた者を手配しましたが難航してます。

 もとより井戸掘削には不向きな立地・地形との事で、上水ならば沢から水道を引くのが良いのでは?と上申がきてます。」

 「うむ、資金は潤沢にある。

 より井戸掘削に長けた者を雇うなり、上水の計画に移行するなりの対応を求めるが、予算を早めに回すように。」

 ジードが頭を抱えたので、元村長はクディに視線を移す。


 「続いて渉外担当のクディ殿、現在の動きはいかがか?」

 暗闇からクディが一歩テーブルに近寄り書類を広げる。


 暗闇の中から浮かび上がるダンディな変態紳士、絵になる。

 しかしオカマだ。


 「そうねぇ、結構めんどっちぃ事になってるわよぉ?

 近いうちに、王国軍の補充部隊が到着することになっているわ。

 指揮官は貴族派でも有名な俗物で、またダンジョンにチャチャを入れるかもしれないわねぇ。

 それと、教会関係者の動きもみえるわ。


 彼等はダンジョンの浄化を依頼されているらしくて、司祭クラスと実行部隊の派遣が決まったみたい。

 あと、商人貴族の息のかかった冒険者組合の動きもあるわね。

 いずれも、都の方で話が進んでそうよ」


 「掻き回すだけで済めば良いが、頭の痛い話じゃの・・・・

 引き続き、経過を見守って頂きたい」

 「分ったわ」


 「次にニーニャ殿・・・・私から言うより其方から話してもらった方がいいかの?」

 「えぇ、では私から・・・・

 近いうちに都でオークションが開かれます。

 幾つかの遺品が、かなりの優良品、神話に出てくるクラスの品物でたたき売りするのは躊躇われるの。

 グレゴリアルが都に戻るときに一緒に都に入ってお金に変えようと思うのだけど、何名か付いて来て欲しいわね。

 あと、ゴダール金貨の販売価格が値崩れを起こし始めたみたい。

 在庫分は売り抜けそうだけど、追加で取得した金貨は死蔵するか、安くても流通させるか後で相談させてね。

 それと・・・・宝飾品関連はまだまだいけそうね。

 たぶん、都の金貨の流通はそろそろおかしくなると思うわ・・・・フフフ」

 蝋燭の灯りに浮かぶ、彼女の顔が怖い。


 「他に述べておくことはないか?」

 「は! 意見具申します! グレゴリアル以下250名は都に戻った折、今回の被害の責任をとり罷免の可能性が耳に入りました!」

 クディがレシアに「そりゃ、しょうが無いでしょねぇ」などと呟く。


 「私は、彼等を当家の私兵として抱えてはどうかと考えます!」


 「うむ、妙案に思えるの。

 クディ殿、ニーニャ殿、根回しは可能か?」

 「「えぇ、まかせてぇ」」

 何故か、ハモる。


 「他になければ、これにて会議は終了とする!

 全ては、ゴートフィッシュ家の為に!!」



 コンコン!


 レブラーシカが飲み物とお茶菓子をカーゴに乗せて入ってくる。

 その視線は、何やってるのこの人たち、と言いたげなものだ。

 彼女はランタンに油を補充し灯を点け、何も言わず出て行く。


 「「「「「・・・・」」」」」


 そして今月の給料支給前会議は終了した。

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