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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第二部 王国の食指
102/256

73話

 カンテラの灯が跳ねる。

 セルジオの足元の影も、カンテラの動きに合わせ激しく乱れる。


 ハァハァハァハァ・・・・

 彼の息遣いと、直ぐ後ろを這う音が近い。


 石戸の影が、見えてくる。

 足が軽い。


 一歩、また一歩、石戸が近づく。


 ハァハァハァハァ・・・・

 あと少しで石戸に手がかかる。



 戸の向こうへ逃げ込み・・・・

 石鋤を引っかけて後ろ手に閉め・・・・

 振り向き様に追う死体がいれば石鋤で薙ぎ払おう・・・・

 とセルジオは考え手を伸ばす。



 ガツン!? ドドン パリン!!

 「ぐは、がぁ!」 ズサササ・・・・

 

 セルジオは激しく転倒し、石戸にぶつかり止まる。

 腰のカンテラは床に叩き付けられ、割れ飛び散る音と共に暗闇が視界を覆った。


 『な? 何!? 死体?』 背筋に鳥肌が立ち、口の中が苦い。

 自分の足が重い、何かがからみついている。

 噛まれる感触や、握られたような感覚はない。


 地面を這い、追いすがる音がまだ響く。

 絡みついた何かが怖ろしく不気味だが、追いすがる音も気にかかる。


 急ぎ手探りで回収袋探し、手に触れたそれを、石戸の中へ投げ入れ、転倒しても意地で手放さなかった石鋤で石戸を閉める。


 ズズズズズズ・・・・


 非常に重い音をさせながら戸が閉まっていくのを感じる。


 這う音が戸の隙間辺りから聞こえる。


 ブ、ブ、ジュルル、ザリリリリ・・・・ゴリ・・・・ドン!


 暗闇の中、何かを磨り潰す音とともに石戸が閉まった。


 ハァハァハァハァ


 セルジオはまだ息を荒げている。

 坂に続く石戸のこちら側の空気はまだ正常で、空気が美味い。


 目はまだ慣れない、暗闇の中でまだ絡みつく物が非常に気になる。

 しかし、とても素手で触る気にならないセルジオだった。

 

感想・評価など (特に感想を!)おまちしてます。

次は26日0:00に予約投稿・・・・


何がしがみついてるのでしょうね・・・・フフフ

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