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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第二部 王国の食指
101/256

72話

引っ越し後、おかげさまで、ハイファンタジー日間10位になりました!

 死体の動きが急にとまった。


 セルジオの荒い息と、心臓がドドドドと早鐘のように打つ音が耳腔に響く。


 死体が倒れた折、腕の位置の座りが悪かったのか、ずるりと床に転がった。



 ・・・・



 セルジオは一瞬逃げようか? それとも動いた遺体を回収しようか? と迷う。


 ドサ・・・・ドザ、ガササササ・・・ザザササササ


 動いていた死体の更に奥から、いくつもの音源が残響音と共に回廊に木霊する。


 「わ、わぁ、わあぁぁ!! 拙いって!!!!」

 セルジオは叫び自分を鼓舞し、来た道を全力で駆け出す。


 踵を返す間際に、彼の目に映ったのは、10体以上の床を這う死体だった。

 しかもその這うスピードがハンパなく早い。


 一瞬しか見なかったから何とも言えないが、頭の無い死体から上半身だけのもの、そのいずれもが床を蛇のように体や腕をくねらせて、迫ってくるのだ。



 「わぁああぁぁあぁ!!!!」


 カンテラの灯が激しく揺れる。

 死臭が立ち込め、臭いだけで吐き気をもよおす暗闇の中、疾走するセルジオの体が空気を求める。

 心臓が口から出てきそうな程鼓動し、蟀谷こめかみがビチビチと脈打うつのが判る。

 緊張のためか、口の中は切れてもないのに血の味がしてくる。


 全力で走っているのに、後ろを這う音が間近に聞こえる。



 ハァハァハァハァハァハァ・・・・


 壁際に置いていた遺体回収袋が、遠目に見えてくる。


 『あと少し、あと少しで石戸の場所だ! 脚! もっと動け! 動いてくれ!!』

 心の中で何かに祈る。


 セルジオは反射的に遺体袋を石鋤に引っかけた。

 なんだか少し体が楽になった気がする。


 手と足を上げよく振り、荷を持つ前よりも更に速く駆け抜ける。

 それでも後ろから音が追ってくる。


 隠れられる場所がない長い回廊に、セルジオの荒い息と、何かの這い迫る音が木霊していた。

感想・評価など (特に感想を!)おまちしてます。


この続きは本日18:00 ナイトメアなクリスマスですw

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