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度胸と勇気

作者: 琥珀ルイ

あいつは僕に言ったんだ

「死ね」

あの子も僕に言ったんだ

「死ね」

だから僕は彼らに言うんだ

「ほんとに死んだらどうするの?」

けれど彼らは小馬鹿にするように口角を上げて吐き捨てる

「お前にそんな度胸あるわけねーだろ。やれるもんならやってみろ」

「お前にそんなことできるわけねーだろ。できるなら見届けてやるよ」

「どうして死なないといけないの?」

「ウザイから」

「キモいから」

「それだけの理由で僕は死ねと言われるの?」

「そうだ。それ以外何があるんだ」

「そうだ。それ以外何もない」

「ひどい……」

「は?何いってんのお前」

「は?後から屋上来いよ」

「まさか、飛び降り〜? 」

「そうそう、飛び降り自殺! 」

「それはやばいっしょ」

「だろ」

「「ははははっ」」

こんなにも理不尽な理由で僕は死ねと言われ続ける

たしかに自殺する「度胸」なんて、無い

痛いのは嫌だし、何より怖いんだ

自分で自分の命を奪うなんて世の理に反してる

だから自殺なんてできっこない

けれど、

僕にはあいつらに立ち向かう「勇気」はある

戦おう

自分を守れるのは自分だけだ

僕が死ねと言われるなら

代わりに彼らを殺してしまえばいい

ゲームのようにBGMでも流せば気分も乗るだろう

屋上で待つ彼らのところへ戦闘曲と共に向かう

それじゃあ、始めようか

バトルスタート

「たいしたことなかったよ」

「弱すぎるよ」

「無様だった」

「滑稽だった」

「泣いてたな」

「必死に謝罪してきたな」

「あーぁ、スッキリした」

「ふー、これで楽になった」

「あははははっ」

「あははははははははっ」

血に濡れた屋上で一人の少年が空を見上げて笑っていた

彼は手にはナイフを持ち、二人の生徒の首を切り取って上から投げ捨てたという

「ばいばーい、飛び降り自殺だね」

「あ、もう死んでたか」

最後までお読み頂きありがとうございます。

こんな作品を書きましたが、筆者は病んでるわけではないのでご安心ください(笑)

人間なんて簡単に変わってしまうもので、弱者が強者になってしまう瞬間も実は不意に訪れるのかもしれません。

「度胸」とは自分に向けるモノであって、「勇気」とは相手に向けるモノであるという私なりの解釈です。

しばしば、取り上げられるこの二つの言葉。しかし、それらは必ずしも良いモノだと言えるでしょうか?

時には人を簡単に変える力さえも持っているのではないだろうか。

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