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麗しのプリーティア  作者: aー
第一章
36/203

神様との離婚

「ガルテリオ、わたくしそちらも食べたいわ」

「はい、あーんして」

 あーん、と口を開けると、斜め後ろに立っていたエドアルドがわざとらしく溜息をついた。気にせずケーキを口にした。

 騎士団に足を踏み入れることを拒否したフェルディは、代わりに先日行ったカフェに案内した。

 色とりどりのフルーツをふんだんに使ったタルトをガルテリオが頼み、紅茶のケーキを百合が頼んだ。フェルディの前にはチョコレートケーキとフルーツとヨーグルトのジュース。エドアルドも何かと言われたが職務中なのでと断った。

「ねえユーリ、あなたの髪とても綺麗ね。いつも手入れはどうしているの?」

「連れがしてくれるの。髪が傷まないように、毎晩香油を馴染ませてくれるのよ」

 まるで女友達がお喋りするように楽しげに話す二人に、背後から無言の殺意を感じながらフェルディは口を開いた。

「そういえば、プリーティアのお連れの方も神殿の方なのですよね。その方は外に出られないのですか?」

 ちらちらとエドアルドを見やり、その度に顔を逸らすフェルディ。百合はふっと笑みを浮かべた。

「やはり、西とこの街では雰囲気も大分違うから、お疲れなのでしょうね」

「うーん・・・そうね、騎士団に顔を出してから元気がないわ。初対面でたくさんの男性に体を触られて怯えていたわ。あんな姿初めて見た」

「セクハラじゃない!」

「あの集団にショックを受けたんですね、よくわかります」

 エドアルドはわずかに眉を寄せたが何も言わない。

「酷いわ、か弱い女性の身体に触れるなんて!」

 ガルテリオがエドアルドを睨むと、それ以上に冷たい視線が突き刺さった。

「相手は男だ。か弱い女性に手を出す馬鹿はさすがに居ない。居たら殺す」

 絶対零度の眼差しが店内の温度を五度は下げた。

「・・・では、プリーストだったんですね」

「ええ、わたくしの護衛を務めているの。けれど・・・今は神殿にいるわ」

 ふう、と溜息をつくとちらりとエドアルドを見上げた。男はまるで睨み返すように百合を見る。

「プリーティアも無駄に外に出るようなはしたない真似は止めて頂けると、こちらとしても楽なのですが」

「それは出来ないわ。わたくしは王都の神殿長に頼まれているもの。これはわたくしの役目なの。面倒ならばあなたは来なくて結構よ」

 くすりと笑う女にエドアルドの額が青筋立ったが、彼は口を閉ざした。

「神殿長ってどんな人?」

「綺麗な男の子よ。前任者の不正で、早く出世したの」

「年齢は?」

「さあ・・・聞いた様な気がするけれど、わたくし達にはそういう概念はあまりないから」

 興味のない相手の事はとことん気にしない女。それが百合だ。

「ねえ、プリーティアは神様の奥さんなんでしょう?」

「はい」

「どうやったら神様と離婚できるの?」


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