表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

感動の再会的なsomething

作者: ビルビリン

 そんなよくある話

「心配したんだからっ!!」


 そう言って彼女は彼を強く、強く抱きしめた。彼女の両腕は彼の肋骨をギリギリと締めあげる。

 ――待て、離せ。そう叫ぼうとする彼だが器官を潰され声を出すことが出来ない。


 周りの仲間は彼女に遠慮をしているのか、近くには来ず、目を細め涙を滲ませている。


 ポキ、と、小気味のいい音が辺りに響く。だがその音は、彼女の嗚咽にかき消され、空へととけていった。彼の肋骨は折れた。


 彼は痛みに身をよじろうとするが、彼女の腕はそれを許さず、有り得ない程の強い力で彼を締めあげる。



 彼の肋骨は両肺に突き刺さった。彼は呼吸ができなかった。


 肺には血が溜まった。彼は呼吸ができなかった。


 彼女は手を首に回した。彼のことは涙で見えなかった。彼は絶望した。


 彼は喉を潰された。彼は呼吸ができなかった。



 そのまま長い、長い時間が過ぎた。実際にはたった十分足らずだったが、彼にとっては永遠に等しかった。


「でも、本当に良かった、生きてて」


 そう呟き、彼女は泣き腫らした眼を拭った。周りの仲間もそれに伴い涙を拭う。

 そして、手を離し、彼を見た。


 彼はやっと解放された。




 生から。



 誰も悪くないんだ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] これは惨い……。 ギャグ漫画とかでは、けっこう見かける状況だったりしますが、文章化するとなかなか凄惨な事態でした。 これは笑えませんね、痛々しくて。 重傷が増えていく描写がリアルに感じられ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ