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遅刻しました

「さて次は買い物だな」


「装備は整ってますし薬もまだ使ってませんし、何買うんです?」


 マールさん達が使っている宿屋、と言うか貸家に旅の荷物を置いてギルド近くの道具屋の前に来ています。

 宿屋と聞いていたので一階が食堂になっていると思ったら全く違っていて驚きました。

 なんでも長期間一つの街に留まる場合は不動産屋で家を借りた方が安くつくそうです。

 料理や掃除を自分でしないといけないのが面倒とミリアンさんが言ってました。


「貴族の冒険者用装備が必要。ミリアンもつい最近までしてた」


「よく考えて選んだ方がよろしくてよ」


「基本デザインを変えることは無いからな。変なのを選ぶと後悔するぞ」


「にゃー」


 上からマールさん、ユリカさん、ミリアンさん、スズメさんです。

 スズメさんはなんと猫科の獣人だったのです。王都や旅の間は全く喋らずフードを深くかぶっていたので気がつきませんでした。

 なんでも王都は差別がひどく旅の間も気が抜けなかったとのこと。この街に来てようやく顔を見せてくれました。

 ヒントはあったんですが全く気がつかないのも自分ではどうかと思いましたが、とっても素早いとか、獲物を見つけたときマントを動かすほど尻尾が動いていたとか、あんな大変な旅をしていたら気づけません。余裕があっても気づけないかもしれませんが。


「いらしゃいませー」


 お店の中はそこそこ広く壁や展示台にいろんな仮面が並んでました。


「これが貴族用装備ですか……」


 顔全体を隠す物、目元のみの物、逆に口元のみの物、等々いろんな種類の物が並んでます。


「お嬢は目的から顔を隠さないといけないみゃ。

 好きなのを選ぶといいにゃ」


「貴族様は戯れとして冒険者をされることが多々あります。

 ですが変に顔を知られてしまっては困るとのことでこのような店があるのです」


 はぁそうなんですか店員さん。


「なおこちらの品々には魔法がかけられていますので視界をふさぐことは御座いません」


「一種の魔法具」


 あぁなるほどそれでどう見ても目の所に穴が開いてない物があるんですね。

 わ、包帯を巻いただけのように見えるけど、これってこういう形に縫ってあるんだ。

 顔に当ててみると着けてる事を忘れそうなくらい普段と変わらないほど視界が開けている。


 試しに着けたままぐるりと店内を見回すと変な物があった。


「…………」


 一瞬固まり、見間違いじゃないかと二度見し、目をこすって見直そうとしてマスクをつけたままなのに気づいて外して見るも間違いなくそこにある。


「あまりおすすめはしませんが……あちらの商品がよろしいですか?」


「いえいえいえいえ! 結構です!」


 そこにあったのは書物で見た仮面や被り物と言っていいものでした。

 ギョロリとした大きな目と牙が特徴の勇者から伝わったバリ島なる場所にある仮面。

 まるで長細い盾のような物に顔が書かれた木彫りの物。

 水滴を模した物に円のみの目と猫のようなくちを線で描いたもの。


「そうですか……結構売れ筋なんですが」


 ぼそりと店員がつぶやいたが信じられません! と言うか信じたくありません!

 あんな物を被って戦うとか採取するとかどんな感性の人が……見たいような見たくないような……


ちなみに水玉はスライムじゃないです

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