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「キャーーーッ」
私は悲鳴を上げ飛び起きました。
とても怖い夢、いえ夢にしては妙にリアルな夢で細かいとこまで思い出せます。
舞踏会で成長した私が男の人に斬り殺される。そしてそれを見て笑う令嬢。
まさに悪夢その物です。
悲鳴を聞いた侍女が様子を見に来たのでしょうか、ノックして返事を待たずに入ってきます。
「お嬢様、どうされました!?」
「何でもないわ、ちょっと夢見が悪かっただけよ」
「あの……寝るまで側に居ましょうか?本日はあのような事がありましたし」
「そこまで酷く無いわ、ありがとう、下がっていいわよ」
とは言ったらものの、この後一週間同じ夢を見ることになった。
「お父様お呼びですか?」
悪夢を見るようになって一週間、お父様に呼び出され書斎に入る。
中にはお父様とお母様、それに神官の格好をしたおじさんと綺麗なお姉さんがいた。
「この方たちはおまえの悪夢について調べるために来てもらった神官たちだ、ご挨拶なさい」
「はじめまして神官様。わたくしゼガーティ公爵の娘マルクローネと申します、マリーとお呼びください」
たかが悪夢でもさすがに一週間も続くと心配になってくる。
そのために呼ばれた神官はすぐさま原因が分かったようだ。念のためシスターに部屋を確認してもらうように侍女に伝え、一緒に部屋を出て行った。
「さて、公爵様転生者と言う者をご存じですか?」
神官様はあまり広めないようにと説明を始めた。
転生者とは産まれる前の記憶、前世の記憶を持ったまま産まれる者。もしくは思い出す者のことで生まれ変わりとも言われているそうです。
一つは胎児の段階、魂がまだ発生していない状態で生前の魂を入れられたもの。
もう一つはすでに魂が確定した者に取り憑いた者。
前者は空っぽの器を貰うのに対し、後者はすでにある魂を追い出すか食い潰すかして器を乗っ取ります。
そして後者に多いのが異世界からきた魂で勇者召喚などに紛れて現れるようになったものです。
「物語で読んだことがありますわ。前世では恋人同士で今世は敵同士だったとか」
「それは前者の転生者を元にしたお話ですね。
内容的にその程度なら問題ないのですが最近特に多いのが異世界型、後者のタイプです。
彼らはゲーム、物語の一種ですがそれと現状を同一視し記憶を混同し、それが正しいと思い込む。
そうして的外れな行動を繰り返し最悪国家転覆の騒ぎになることもあります。
最近あった例ですと複数の男性を魅了し国の政治を乱すとかですね。
女性では王子や重鎮の子息をたぶらかし貢ぎ物をさせる。
手回しして婚約者が悪いと男性に思わせて婚約を解消させ奪い取る。
男性はハーレムだとか言って複数の女性を監禁したりNPCと言って他人の人権を無視したりですね」
「それで娘はどうなのです?王子との婚約は大丈夫でしょうか。
もし国に被害をもたらすのなら……」
お父様が何かを決意した表情で神官様を見つめます。
話しの流れから私も転生者だと思われているのでしょうが産まれる前のことなんて全く覚えて無いのですが。
しかし何なんでしょうわたくし5歳のはずですが、何故こうも落ち着いていられるのかしら?
「全く問題ないですね。
念のためシスターに部屋の確認をしてもらってますが、そちらも問題ないでしょう」
予約投稿間違ってました
一週間後のつもりがすでに投稿済みになってて焦った
書き貯める予定が……