13
体調ガタガタなのと奇数日で更新してたのが重なって1日ずれました
「今日は魔法の勉強です」
マールさんの魔法は説明が分かりにくいです。ですので、ミリアンさんも一緒に教えてくれてます。
「詠唱魔法と私の使う魔法の違いにについて教える。
ファイヤーボールの魔法の詠唱はこう『赤き火を持って玉とし、まっすぐ飛んで敵を討て』となる」
「ふむふむ」
何を言ってるのか全く分かりません。
あ、もちろん呪文の方ですよ。学校でこんなの習うのか……面倒くさ。
「注意する点は2つ前も言ったけどイメージをしっかり持つこと、もう一つは発音」
「前はイメージの補助に呪文詠唱を使うと言いましたよね。イメージがしっかりしていれば発音は微妙でもいいんじゃないんですか?」
「基本魔法は周りの精霊に語りかけるもの。詠唱は自身のイメージを固めると共に語りかけるため精霊に伝わらないと意味がない。つまり詠唱は精霊の言葉でもある」
「おーそれじゃ精霊と会話できるんですね!」
精霊の言葉なら覚えてみても良いかな。
「それは無理」
「あれ?」
「魔法に反応する精霊は知能の低い本能のみの下級精霊、上級精霊は逆にこちらの言葉を話せる」
「へー」
何でも上位精霊が下位精霊に命令する際の言葉だそうで会話としては覚えても意味が無いそうです。
「話を戻すとイメージと詠唱の内容が違いすぎると精霊は魔法を発現出来ない、コレが詠唱魔法のよくある失敗の一つ。
例えば最初の一言『赤き火』は燃え盛る炎を現しているが発音を間違えると赤い水の意味になったりする。
ただし熟練の場合は精霊との仲が良くなっていることから少しの発音ミスはイメージに合わせて修正され魔法がキチンと発動する」
「熟練の仲、つまり永く仕えた執事のようなものですわ。
アレやコレで意味が伝わるようなものですの」
「それは行き過ぎ。そのレベルだと詠唱破棄や無詠唱レベル」
流石は元貴族のミリアンさん。私と同じで微妙にズレてますね。
でもわたし達貴族の感覚ですと言葉に出さずとも察して動くのが一流の執事なんですが。
次の日は剣の訓練です。
「それじゃ始めるよ。とりあえず王子の使う剣術が近衛騎士のものとして教えるから」
未だに見る悪夢では決まった切り方をしないんですよね王子って。
なのであくまで習うであろう騎士が使う剣術を覚えて、その返し方を覚えます。
「基本騎士は型を覚えたら模擬戦ばっかりで復習しないことが多いんだよ。
だから隙を突いて倒すなら切り返しを狙えばいいよ」
いやいや、倒しちゃダメなんですよ。
あくまでよけて誰かに取り押さえさせるんですから。倒したらこっちが悪者扱いされるじゃないですか。
あ、でも正当防衛って良い響きですよね。
「それじゃ次にこの棒きれで切りかかるから避ける訓練だよ。
流石に私じゃ体格に差があり過ぎるからスズメが相手だよ」
「最初はゆっくりいくにゃ。
体全体を見てどう切るかを予測して、さらにはそのときの体制も考えてよけるにゃ」
変な体制で避けると次の斬り込みで避けれなくなるからと切りかかられます。
いやスズメさんのゆっくりは普通に早いんですが?!
必死に避けながら体制を崩しポコポコ叩かれるわたしでした。
力入れてないから痛くは無いんですが、連続で当てられると悔しいです。
さらに次の日はお休みです。
魔法の訓練、剣術の訓練、お休み、冒険者のお仕事が3日で最後にお休み。
これが最近の一週間の過ごし方です。
まぁ大抵お休みでもギルドに来てるんですけどね。
「ですからスライムにはフルーツを混ぜて冷やし固めるのが一番美味しいんです!」
「いやいや茹でた物にみたらしのタレをかけるのが旨いんだって」
胡散臭いおじさんとの討論や買い食いに来てるだけなんですけどね。
「確かに茹でた時のモチモチ感は捨てがたいですが今からの暑くなる季節にはフルーツの入ったヒンヤリ食感がいいのです」
「確かに今からならそれが良いかもだが、茹でるのは年中楽しめるしタレを変えればもっと良いんだぞ」
「ぬぐぐぐぐ」
おじさんとの話はいつもヒートアップします。そして横からも声をかけられます。
「俺としちゃスライムはさっと焼いてスライスしたのをわさび醤油でいきたいね、酒に合うんだこれが」
「いやいやそれより……」
「こんな食べ方も……」
他の冒険者も最初はよそ者扱いでしたが今ではすっかり仲良しです。
「あ、受付のおねーさんはどんな食べ方が好きですか?」
「カウンターで騒がないで下さい!!」
さすがに怒られました。
スライム(食材)
コアの中の身を食べる。
生でゼリー
茹でて白玉
焼いてカマボコ
までは考えた、他の食べ方募集中




