表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/21

11

「いやその装備でスライム狩るのはやめといた方がいいと思ってな。貴族の嬢ちゃん」


 おじさんはこちらを気にせず話し始めます。なんか微妙に怪しいんですけど。


「あれ?なんか怪しまれてる?いやいや真面目な話だって。

 雨合羽と木でできた武器持って行きな役に立つから」


 言ってることはまともなようですが、なんとなく胡散臭いおじさんです。あ、臭いと言ってもさすがに加齢臭はしないようですが。

 となると結構ランクが高くお毎日風呂に入れるくらいの稼ぎがある……はず?


「スライムってのはな常に酸を出してるわけじゃねーんだ、食事の時や戦闘時に強く出す。

 でも通常時も全く出さないわけじゃなくてな。食事の後は薄まるまで結構時間がかかるんだ。

 で、大抵はそんなときに攻撃する事になるが、一撃で倒すのは初心者じゃまず無理で何度も攻撃する事になる。そうするとコレが結構飛び散るし酸も強くなる、武器や防具なんかに飛び散った汚れをそのままほっとくと溶けちまうんだ。

 さらに……」


「はぁ」


 なんだかペラペラ喋ってますが、胡散臭さのせいでいまいち信じる事ができません。

 マールさん達を待たせてますし、さっさと行きましょう。

 スライムの依頼をギルドカードに登録してっと……


「あの、知り合いを待たせてますので失礼します」


「……食べるならって、そうかい?急ぐならしゃーねぇよな気をつけてなー」


 な?!

 この怪しいおじさんスライムの食べ方を知ってるのですか?

 是非とも教えてもらいたいのですが時間がありません。

 残念ですがマールさん達と合流して狩りに行きましょう。




 街の東側に森があり、そこで薬草の採取をしています。

 間違って似た毒草も採取してしまいましたがマールさん達に教えてもらいました。微妙に違うのですが分かりにくいです。


「危険な動物や魔獣はこっちで処理する。怪我しても治すからできる限り一人で頑張れ」


「相変わらずマールはスパルタですわね。マリーこの辺にはコアを持ったスライムしか居ませんわ。倒すなら魔法で焼くかコアを割りなさい」


「ちなみに無傷のコアは高めに買い取ってもらえるにゃ。ただし焼いた場合はダメにゃ」


 ふむふむ、安全に倒すなら焼き殺すですか。でも自由に使えるお金も買い食い用に欲しいですしね。

 王都では買い食いなど出来ませんでしたから。美味しそうな匂いだけで何度我慢したことか。

 この街に居るあいだは買い食いを咎めるメイドも居ませんし心行くまで楽しむためにコアを残して狩るとしましょう。

 でもどうやって狩ったものか……


 落ちていた木の枝を使って茂みをつついたりしながらスライムを探します。

 気付くと横にミリアンさんが来ていました。


「どうかしましたか?」


「やはり気付いてませんのね」


 そう言うと手にしたレイピアを茂みの奥に突き刺します。そしてそのまま持ち上げると頭を貫かれた蛇が切っ先に刺さっていました。


「毒蛇ですわ。もう少し周りを気にしなさい」


 そう言って他のメンバーの元へ下がるミリアンさん。

 すごいですね勢いよく刺すのではなく、本当に何気なくスッと刺しただけで倒すなんて。

 さすがに一流の冒険者です。


 なんて考えながらスライムを探していると頭に強い衝撃を受けました。

 痛みと衝撃で薄れゆく意識の中ベチャリと何かが張り付くのを感じながら私は気を失いました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ