4話 顔合わせ
あれは、小学4年の時だった。
その映像は、3人で見た、ある大会の映像。
その大会は、五武校という5つの高校の頂点を決める大会。
それを具戦頂武祭という。
孝一たちが見ていた映像は、決勝戦だった。
その決勝は、剣のシンボルが示す凛参堂学園と拳銃のシンボルが示すバレンダン戦蔭学校の勝負だった。
凛参堂は、3年の男、バレンダンは、2年の男。
その映像を見ていた剣豪賢二が口を開いた。
「この大会すごいね、兄さん!」
「ああ、なんたって具戦頂武祭だからな」
「具戦頂武祭ってなに?」
問いただしているのは剣豪夏三。
剣豪家は、孝一、賢二、夏三の3人の子供がいた。
「具戦頂武祭は、五武校の代表選手達が自分の校を優勝させるべく戦う大会なんだよ」
「大会かー、けど1校15人しか出れないんでしょ?」
「ああ、そうだ、それはー」
「兄さん僕にも説明させてください」
と賢二が言った。
「具戦頂武祭は、各校がクラス選抜をして勝ち抜いた上位2名、それが7クラスで計14人いるんだよ」
「?、あと1人は?」
「最後の1人は、教師枠だよ夏三」
賢二が言ったところでまた孝一が話した。
「教師枠は、選抜におちてしまったもの一名だけを教師達の投票で決めた枠だよ。」
「そして、具戦頂武祭は、個人戦4人、ペア戦6人、チーム戦5人で分けられる。」
と孝一と賢二が交互に言った後、テレビに映る具戦頂武祭個人戦決勝が始まろうとしていた。
流石に、有名な大会だけあってアナウンスがあるらしい。
『さぁ、始まりました。具戦頂武祭個人戦決勝!』
アナウンサー1人、解説が1人いた。
『決勝戦は、凛参堂3年の静なる剣靭の二つ名を持つ稲澤刀伐選手です!』
『稲澤選手は、稲澤信裂流という独自の剣術の使い手でありますからとても強いですね』
『続きまして、バレンダン2年の丸川久史選手です!』
『丸川選手は、主砲という二つ名がありますからその強大な魔法の砲撃と魔力の多さに期待です』
そのとき、テレビの前の賢二は...
「まさか、あの剣靭の試合が見れるなんて!」
「ちょうどだったか!」
そのとき、スタートのホイッスルが鳴り響いた。
静なる剣靭こと稲澤刀伐は、計5本の剣を扱う。
剣術自体は、稲澤信裂流というものだが、剣を操るその魔法を、固有魔法名称、剣舞と…
対する丸川は、主砲という二つ名を持つ。
バレンダンでは、有名であり、その攻撃と魔力は群を抜いていると言われている。
『始まりました、決勝戦。剣靭対主砲。どちらが勝つのでしょうか?』
稲澤が剣を取る。
その剣は、日本刀に近いものだった。
『見せよう、俺の実力を』
残りの剣が無造作に頭上へと配置される。
この操られた動きこそが剣舞である。
『こちらも全力だよ!剣靭!』
丸川は、いきなり強大な魔力砲撃を放つ。
『喰らえ剣靭、バニッシュバースト!』
空中に現れた魔法陣、それは稲澤の上にあった。
魔法陣の規模からして喰らえば一溜りもない。
稲澤にそれが直撃した。
そう思われた。
煙が舞う。
そこから現れた影は、直撃したはずの稲澤の姿だった。
『おい、今のはあったはずだろ...』
『稲澤信裂流魔剣技、バニッシュメント・アドメント』
この技は、砲撃を吸収して放つ剣技である。
『剣靭よ、それでは俺に刃向かえない!』
丸川は、稲澤のカウンター砲撃を相殺した。
『火、それは焔の如く燃え、水、それは焔を消し去るほどの、風、それは即ち神速の如く、雷、地を砕く程の』
四行転換。
この大技は、火、水、風、雷の4つの属性を合わせた砲撃。
丸川は、それを魔法陣として地面に書いた。
『四行転換魔法、フォースレクト・バスラー!』
稲澤は、剣を2本取り出した。
両方とも刀身は、長い。
『稲澤信裂流練剣技、朧路呼』
稲澤は、いともたやすく弾き飛ばし、基礎魔法の速攻を使った。
速攻とは、自分の足の速さ、即ち速度を一定の間、上げることの出来る魔法である。
この魔法は、5つの基礎魔法の一つである。
『稲澤選手が丸川選手の懐に入った!』
『稲澤信裂流奥剣技、連剣双波』
先ほどの2本の剣で切り裂き合う。
『剣靭!!!』
丸川久史の意識がそこで途切れた。
バタッ。
そのとき、稲澤が珍しく手を握り、上へと上げた。
『決着!!!』
おおおおおおおおおおおおおおお。
と歓声が響いた。
『具戦頂武祭個人戦優勝は、凛参堂学園3年、稲澤刀伐選手!』
そのときの剣技は、今も忘れない。
だから俺は・・・
俺は・・・
ハッ。
「夢か・・・」
孝一が起きたとこは、ベッドの上だった。
「起きたか孝一」
一声かけたのは、御影緯幻だった。
「緯幻、ここは?」
「ここは、ガルド専用の病棟の1室だよ」
「そうか、ゲーンとギーンは?」
「多分アイツらは帰らされたんだろう、俺達が勝ったから」
そう、孝一と緯幻の記憶は変えられたのである。
そう、ミュイール・イスナによって。
「このあとは、なにがあるんだろうな・・・」
そのとき、ドアが急に開いた。
緯幻は、この部屋にいる。
そして、この部屋は、個室で孝一しかいない。
即ち、孝一に用のあるやつしか来ないのだが、可能性としてはイスナが来るぐらいだが、イスナが来るとは思わない。
現れたのは、黒髪の少年と青髪の少女。
「君たちがもう一つの方か」
「お前は誰だ」
「僕かい?僕は、司鳴雷人だよ、宜しくね」
「私は、ミネーロ・F・ディストル。宜しく。」
「じゃ、行こうか」
そのとき、司鳴からオーラが出てきた。
「やる気かお前」
緯幻がそう言った。
「ああ、すまないね、つい出てしまった。」
「で、なんの用だ。」
「イスナが俺達4人を呼んでるんだ、来てくれるか?」
緯幻と孝一が頷いた。
「話が早くて助かる。行こうか」
4人は、そうして病室を出た。
孝一のいた病室は、一番奥にあった。
その階には、他にも個室の病室があった。
エレベーターに乗り、ボタンを雷人が押す。
どうやら孝一の病室の階は、5階のようだ。
エレベーターが10階へと到達する。
「そういえば、イスナは何のようなんだ?」
「僕達もそれは知らない、呼んできて欲しいと言われただけだからな」
エレベーターから出て、その階の奥の部屋へと進む。
「そうだ、私が呼んだ」
殺気がした。
出処は、その声の主であるミュイール・イスナであった。
「誰だ?!」
と孝一がいい、剣を作る。
「おっと、私には、その気はないぞ?ついてきたまえ」
奥の部屋へとまた進む。
その部屋は、ソファーにテーブルがあった。
「座ってくれ、これからのことを話そう」
孝一、緯幻、雷人、ミネーロが座る。
イスナは、スーツケースを取り出す。
「これには、ガルドの印が入った妖精腕輪が入っています、それらを君たちに渡します、これはガルドという証でもあります。」
妖精腕輪をそれぞれ1人ずつに配る。
「配られましたね、それではこれからの話をしましょう。君たちには我々の指定する学校へ行ってもらいます。」
「学校だと?」
「はい、我々の所有する五武校、その1つ凛参堂学園に行ってもらいます。」
凛参堂学園、それは五武校の1つにして剣のシンボルを持つ高校。
「3年間ガルドとしての素質を育てて貰います、そのあとのことは向こうの者に聞いてください」
そのとき、4人の足元に魔法陣が出現した。
「では、頑張ってください」
「待てイスナ!まだ、話すことが・・・」
瞬間、4人は何処かへと飛ばされた。
「頑張って頂こうか、剣豪孝一。君の力はこれから強くなるんだ・・・」
そして、孝一たちは凛参堂へと行くのである。




