第二十一章:帝国の危機
今回はとんでもない展開になります!
アスタロテは一体どうなってしまうのか……
ぜひ見届けてください!
帝国の首都まであと少しで到着するアリシアたち。
上空を見ると怪しげな物体が姿を現しかけていた。
恐らく魔力爆弾だろう。
「ベア爆弾は、」
「どうやって解除するの?」
アリシアはベアトリスなら、
解除方法を知っていると思っていたが……
「正直言ってわからないわ」
「魔力爆弾は送り込んだら、」
「勝手に爆発する仕組みなのよ」
ベアトリスは頭を悩ませながら、
仕組みを説明する。
「ほう~」
「余が丸呑みにすれば良さそうだ」
アスタロテはいつもと変わらない調子だ。
「さすがに爆発するでしょ!」
「なんだベアトリスよ」
「心配してくれてるのか?」
「別に違うわよ……」
「あれだ」
「お主はツンデレだな!」
「もっと正直に生きたら、」
「どうなんだ?」
「……考えてみるわ」
「まだ人生これからじゃ!」
「ベア」
「大丈夫よ」
「なんとかなるわ」
「ありがとう」
「結局巻き込んでしまったわ」
「兄さんに怒られる……」
「アスタロテがいるから大丈夫よ」
「守ってくれるわ!」
「当たり前であろう!」
話し込んでいるうちに、
帝国の首都と城の近くにきた。
「そろそろ着くぞ」
「あのデカい城でいいのか?」
「ええ!」
「お願い!」
ベアトリスは着地点を、
帝国城に指定する。
アスタロテは城を壊さずに、
中庭に丁寧に着地した。
「大変だわ……」
アリシアは上空の雷雲と巨大な魔力爆弾を、
みて無力さを痛感してしまう。
「どう考えても、」
「爆弾出てきておるぞ!」
「ベアトリスどうする?」
さすがのアスタロテも、
戸惑っていた。
「原理は魔力だから……」
「どうにか吸収するか……」
「そのまま爆発したらどうなる?」
「帝国は焦土になるわ」
「こうなったら……」
「イチかバチかじゃな!」
「アスタロテまさか……」
「あの爆弾を食ってくるぞ!」
「待って!」
「あなたにそんな義理はないわ!」
ベアトリスは珍しく声を荒らげて、
アスタロテを止めようとするが……
「余の妻が見ているのだ」
「これくらい出来なくてどうする?」
ベアトリスに対して、
笑顔でウィンクするアスタロテ。
「アリシア行ってくるぞ」
「嫌だけど……」
「気をつけてね……」
ドラゴン形態のアスタロテの、
鼻っ面にキスした。
嬉しそうな顔でアスタロテは、
再び飛んでいった。
「行かせて良いの?」
ベアトリスは動揺するが……
「信じてるから……」
アリシアの決意は揺らがない。
「……アリシア様」
シアンが背後に立っており、
アリシアがドキリとする。
「シアン!?」
無理矢理に連れ戻されるのかと、
内心ヒヤヒヤしていた。
慌ててベアトリスに、
くっついてしまう。
「帝国の民の避難は完了済みです」
「とはいってもシアンさんが強引に、」
「屋敷付近に転移させたので……」
「驚いてるかもしれません」
クララは苦笑いしている。
「これをおじい様から……」
「聖剣?」
「使ってもいいの?」
一瞬で嬉しそうな表情に戻る。
「はい」
「使えるように、」
「調整したようです」
「短剣になってるわね」
「避難してください」
「もうあなたにできることは……」
その時だった……
「エマ女王陛下!」
ベアトリスは慌てて、
アリシアを引き剥がして、
深くお辞儀をする。
「ベアトリス」
「来てくれたのですね!」
エマ女王陛下が息子のアランを、
伴ってやってきた。
「異空間シェルターに、」
「私たちは避難します」
「あなた達も入ってください」
「かしこまりました」
「アリシア行きましょう」
「アスタロテなら平気よ」
「……わかったわ」
異空間シェルターに全員で入っていく。
一方のアスタロテはというと……
「さてと……」
「妻の前だからと……」
「大口を叩いたはよいが……」
帝国首都の上空の巨大な魔力爆弾に、
近づいていく。
「まったく……」
「大きな魔力爆弾じゃのう……」
約百二十メートルもあるアスタロテが、
小さく見えるほどの魔力爆弾だ。
推定一キロメートルほどの円形状で、
青色の魔力エネルギー波が漏れ出していた。
「とりあえず食ってみるか!」
かじりつき魔力エネルギーを吸ってみる。
「これは……」
「思ったよりも美味じゃな!」
味を占めたのか、
凄まじい勢いで吸い込んでいく。
「五千歳になって……」
「パワーアップするとはな……」
軽口を叩きながら全て吸い込んでしまった……
次第に肉体に変化が訪れる。
「ぬ……」
突然赤いオーラが全身を包み込む。
今まで柔らかかった腹は、
引き締まり腹筋が割れてしまう。
両足も完全に引き締まり、
関節部分は赤黒くなった岩肌のように、
ゴツゴツとしている。
両翼も赤黒くなり、炎をまとい始めた。
尻尾の先は赤く尖り、
鋭利な刃物のように変形し、
なんと身長も二百メートルにまで急成長。
頭部には今までなかった巻き型の赤黒い角が二本生えて、
目が赤く輝き咆哮を上げ始める。
全身から溢れ出てくる凄まじいエネルギー……
完全に制御不能になっていた……
アスタロテが上空に向けて、
強化された青色の火炎ブレスを放った瞬間、
雷雲が一瞬にして消滅。
アスタロテは完全に暴走している。
もはやセカイの黙示録が、
始まってしまうのか……
「アスタロテ……」
アリシアはシェルターから出て、
愛する人を止めに行きたかった……
大怪獣アスタロテ降臨です。
次回は超人たちと大怪獣アスタロテの神々の対決です。




