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風魔法しか使えない俺は風で無双する  作者: mf
反乱軍での絶望
3/17

3 反乱軍アジト攻略作戦 1

そのしばらく日数が経ち、全校集会が開かれていた。生徒たちがザワザワと騒いでいる。すると、隣から声が聞こえてきた。

「なんの話するのかな? 昨日の話についてかな?」

唐須がワクワクしながら話しかけてきた。

「おそらくそうだろうな」

「どんな話するのかな〜」

そんな他愛のない会話をしていると、全校の前に一人の赤髪の生徒会長らしき男が立った。

「みんな! この前は突然ビビらせてしまいすまなかった。ところで今日集めた理由なのだが……率直に言う。みんなには昨日この学園を襲った反乱軍の拠点を壊すのに協力してほしい」

平和な学園のはずだが、生徒会長らしき人は物騒なことを言い出した。だが、この世界では魔法を使えない警察じゃ魔獣と戦えないため、俺たち、この学園の生徒たちが駆り出される。だから仕方のないことなのだ。

「政府から反乱軍の処理を命令されたんだ。つまり私たちが動かなくてはいけないのだ。もしかしたら死者が出るかもしれない。だが、俺は絶対に死者を出すことはしたくないため、みんなで協力すべきだと思う」

死者を出したくないならそんなことやらなければいいのに……と思ったが反乱軍を放置したって被害がさらに増えるだけだ。ここは俺たちが反乱軍を倒さなくてはならない。

「まず軽く作戦について言おう。まずはクラスごと分ける。そして今日中にリーダーを決めてもらい、戦場ではクラスのリーダーを中心として行動してもらう……」

と作戦の内容について一時間近く説明をされた。正直眠くてなんも聞いていなかったがなんとかなるとは思った。

「それで作戦決行は三日後だ。みんなはその間に準備をするように」

生徒会長は最後にそう言った。そうして説明は終わり、俺らは教室に戻っていた。教室中に「最悪……」という声が無限に聞こえてくる。そんな教室で、一つの声があった。

「俺にリーダーをやらせてくれ!」

カラスは大声で言った。すると、教室中の険悪な雰囲気は落ち着いた。

「絶対にみんなを守ってみせる!」

そんなことを言った唐須に俺たちクラスメイトは歓声を浴びせた。

そんな感じで騒いでいると先生が教室に入ってきた。

「みなさん、リーダーは決まりましたか?」

「俺がやります!!」

唐須が再び大声でそう言った。

「わかりました、では放課後生徒会室にお願いします」

「はい!」

唐須はとても嬉しそうに言った。


そうして俺と桃は放課後に、また練習をしていた。

「お前はリーダーにならなくてよかったのか?」

「クラスをまとめるってなると、私より唐須くんの方が適任でしょ」

「案外自分のことについて理解できてるな」

「うるさいわね、誰だってできるでしょ」

「結構できてないやつはいたりするぞ?」

「そうなのね…………てか、あなたの魔弾全く成長しないわね」

「魔弾の練習しても、もう意味ないと思うんだが……」

「それもそうね、あんたは筋トレでもしてなさい」

「めんどくせぇ…………」

「なんか言った???」

目の前から、ものすごい圧を感じた。

「い、いやなんでもない」

俺は腹筋をし始めた。

「魔法は使っちゃダメすか?」

「何言ってるの? ダメに決まってるでしょ」

そんなことを言われたが、俺はバレないぐらいに少しだけ魔法を使いながら筋トレをした…………


そうして、いつの間にか二日が経過していた。時刻は3時、全員が集合した教室で唐須が前に立っている。

「これから作戦について説明をします。まず、俺たちの役割はアジトの東門から攻めることだ。生徒以外の人間は見つけ次第捕らえていい。まあつまり俺らはとりあえず、怪しいやつを捕らえながら東から正門へ向かえばいい」

クラス中に同意の意味の拍手が広がる。すると……

「明日、頑張るぞおぉ!!」

唐須がそんな言葉を言った。それと同時にクラス全員の「がんばるぞー!」と言う声が響き渡る。

そうして俺たちは解散をした。すると、クラスのリーダーが俺の元へ近づいてきた。

「緊張するなぁ……俺リーダーできるかな?」

そんなことを言う唐須に対して俺は――

「お前のことだ、期待してるぞ」

「ありがとな、頑張るよ。じゃあ俺は用事があるからまた明日な」

「またな」

そして唐須は立ち去っていった。


俺は作戦決行日前日に筋トレをしていた。

「明日の作戦、何か嫌な予感がするのよね」

隣で魔法を打ち続けてる桃は言った。

「そうか、俺も同感だ」

「大丈夫かしらね?」

「まあなんとかなるさ」

俺は本当に嫌な予感がしたが適当なことを言った。

「まあ、私はあんたと唐須くんがいればなんとかなると思うわ」

「まあ唐須がなんとかしてくれるな」

「私、魔法がかなり上達した気がするし、おそらく結構な戦力になれるわ」

「お前の活躍も期待してるぞ」

「ありがと」

そんな会話をしていると、いつの間にか夕方になっていた。

「そろそろ私は帰るわ、また明日ね」

「わかった、またな」

そうして桃は帰っていった。

「俺も帰るとするか……」

そうして帰ろうとした瞬間、後ろから聞き覚えのある声がした。

「風馬、ちょっと話しながら帰ろうぜ」

唐須だった。そうして俺は――

「いいぜ、帰ろうか」

と言った。唐須と帰るなんて何日ぶりだろうか? しばらくお互い予定が合わなくて帰れていなかった。

「ちゃんと俺状況判断できるかな?」

「お前なら大丈夫だろ。でも困ったなら言えよな」

「ありがとう、やっぱお前はなぜかわからないが、すごく信用できる」

「それは嬉しいな」

俺はその「ありがとう」という言葉に少し嬉しさを感じた。そんな話をしていると俺の家が見えてきた。

「じゃあ俺の家はここだからまたな」

「またな」

俺は今日は特に疲れ切ったので、すぐに布団に寝転がり睡眠についた。


そうして翌日の朝、全校集会が開かれていた。

「みんな! では、今から攻め込もうと思う。転移魔法で移動するから少しだけ待っていてくれ」

全校の生徒に緊張が走る、もうすぐ戦争が始まるのだとここの全員が感じていた。しばらくすると、地面から光が生じ周りが光いっぱいに包まれた…………

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