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賢者の恋文  作者: 青木りよこ
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アイリス。

ありがとう。

あのような手紙を書いて自分でも恥ずかしかったが書かずにはいられない。

例え届かなくても君に手紙を書くのを辞められない。

今これを書いている瞬間だけが恐怖を克服できる。

最近は眠っていても悪夢ばかり見る。

もっとこうしておけば良かった、ああすれば違った結果になったんじゃないかと後悔ばかりだ。

何度も君の名前を唱え手紙を読み返す。

君が待っていてくれる。

それだけで俺は幸せだ。

同僚がまた死んだ。

俺には君がいて、まだ生きていられて、こうして手紙を書いている。

生きている限り手紙を何度だって読み返せる。

賢者になれるなどと言っていたが自分はちっぽけだ。

何もできてやしない。

でも必ず食い止める。

悪魔をこの国から一歩も出さない。

それだけは約束する。

絶対に君の所へ帰るつもりだ。

勿論生きてだ。

魂だけになって帰るなんて絶対にごめんだ。

父親になり、君と子供と婆やと慎ましく暮したい。

それ以外何も望まない。

帰りたい。

帰りたい。

アイリス

アイリス

アイリス



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