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賢者の恋文  作者: 青木りよこ
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作戦は明日決行となった。

上空から悪魔の口に降下し内部から破壊することになった。

巨大化して口もでかくなっているので上手くいくだろう。

もう余り時間がない。

上手くいけば君の元へ帰れるが。

よそう、違う。

帰るんだ、何があっても。

悪魔は島ごと移動して、大陸へ近づきつつある。

速度が遅いのが幸いだ。

心臓を凍らせ潰す。

手紙が着く頃には全て終わっているだろう。

疲れた。

ゆっくり風呂に入りたい。

もう何でもいいから君が見たい。

君に会ってみたかった。

君を知る前ならこんな手紙を急いで書くこともなかった。

心置きなく粛々と作戦を決行しただろう。

でもこの気持ちを知らずに死ぬことの方がずっと嫌だ。

君を知れて幸せだ。

アイリス、ありがとう。

運命がどっちに転ぶかはわからないが、俺は帰れる気がしている。

何故だかわからないけれど、君は人生においてそんなに悲しい目に合わないんじゃないかと思うからだ。

俺だけの話ならここで死んでしまうだろうけど、もう俺の人生は俺だけのものじゃなくなっているからだ。

生きて帰る。

絶対帰る。

帰れる。

帰るよ。

すぐ帰る。

明後日帰る。

君は絵が上手いのでまた何か書いてくれ。


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