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教え38 すぐに派閥が大きくなるのですか?

「ま、まさか、全員から経済封鎖を受けるなんて。完全に予想外です」


先に経済封鎖をされていた王女さん達だけでなく、5人いる王子さん達の派閥からも経済封鎖をかけられてしまいました。それらの派閥のお家と、交易ができなくなったのです。

こうなると完全に八方(7派閥なので七方?)塞がりで、私たちの実家も厳しくなってきています。ただ、経済封鎖をかけられてるのが私の家とエリーナさん達お三方の家だけというのは不幸中の幸いです。新しくこちらに入ってこられた方々の家にまで経済封鎖をされたら、確実に幾つかのお家が潰れることになっていたでしょうから。

と、経済封鎖のことを考えていたら、その元凶の方々がやってこられましたよ。


「リセス様。少しお話が」

「こちらも少しお話がありまして」

「リセス様。少々よろしいでしょうか?」

「お時間があれば是非、今からお話しさせて頂きたいのですが」

「今すぐにお話をしたいので、ご準備をお願いします」


5人来たことから分かるかも知れませんが、5王子さん達派閥全てから使者が来ています。内容は全て、こちらの派閥の下につけ。というもの。王女さん達と似たようなことをおっしゃられてきたわけですね。

違いと言えば、本人ではなく使者が来たこと。そして、一方的に告げられただけで、質問の機会などが与えられなかったことでしょう。


「リ、リセス様。どこかの派閥の下についた方が良いんじゃないですか!?」

「ぼ、僕たちの所に経済封鎖が来たら死んじゃいますぅ!!」


使者さんが来たことがきっかけとなり、派閥の中で下につく意見はかなり強まってきていますね。新しく派閥に来た方々は、相当焦りを見せています。家が潰れれば自分の命も危ういですし、それも当然のことでしょう。

しかし、


「まだです。もう少し。もう少し粘れば………」


派閥の方々に求められても、リセスさんは首を横に振り続けます。求められていた方々は不満そうな顔をしていますが、私としては嬉しく感じますね。なにせ、私をそこまで信用して下さっていると言うことですから。



※※※



第1王女ユーアと第2王女ハルフが、第3王女リセスと会談を行った。継承権争いに関係することもあり、その情報は貴族間で瞬く間に広まる。

当初、貴族達は第3王女がどちらかの下に入ると予想していた。が、その予想に反して第3王女は独立した勢力を維持。貴族達は、王女達の交渉が決裂したものと判断する。次の日には、残りの継承戦参加者達、王子5人からも経済封鎖が行われることに。さらに数日後、第1王女と第2王女の両名が国王と会談を行うと発表したため、更に第3王女派閥への攻撃が続けられると予測されていた。


「………ふむ。お前達の意思は分かった。了承しよう」


「「感謝致しますわ。お父様」」


王女2名と国王の会談は、大いに成功。その会談の成果によって、貴族たちは大きな衝撃を受けることとなった。



※※※



「そ、それでは、今日からしばらくの間にはなりますが宜しくお願いしますね」


「「「「はっ!」」」」


私の横に立つリセスさん。その前には、沢山の生徒さん達が膝をついていました。この方々、全員私たちの派閥の人間なんですよ。リセスさんも偉くなりましたねぇ~。

などという冗談はおいておきまして。分かっているとは思いますが、この方々は本心からリセスさんに従っているわけではありません。前の主人から、しばらくリセスさんの配下として働くように言われているだけです。そして、その指示に従うことのメリットを感じられただけ。

この方々の前の主人というのは、勿論私たちが先日会談した相手。第1王女のユーアさんと、第2王女のハルフさんです。会談のことを少し思い出してみましょう。


『お二方には、他国の誰かと結婚できないか国王様に相談して頂きたいのです。王位継承戦中の婚姻は前例がありませんが、現在の国王様なら重要性が身にしみて分かっていらっしゃるでしょう』


『た、確かにお父様は7男。下についた方もおらず、ご兄弟は全員処刑されていて外交上の繋がりが薄い。それで外交の問題が多くなっていると聞いたことがありますわ』


『そうでしょう。ですから、他国との婚約は成功する確率は高いかと。それに、失敗したとしてもお二方に損害はそこまで出ないでしょう?私たちも考える時間が稼げますし、お互いに利益があるのですよ』


『……面白いですわね。あなた、私の配下となるなら他の方と違って普通に配下として扱いましてよ』


『お姉様もお手が早いことですわね。私は下についた場合、しっかりと功績を立てさせて差し上げますわ』


などと途中で勧誘されたり。そんなともありましたが、結局私の考えた策は成功。お二方は継承権を失う代わりに、他国の貴族との婚姻を結ぶことになったわけです。争うでも平民になるでも、下につくでもない、4つ目の選択肢ですね。きっと、王子さん達の派閥も驚いてくれていることでしょう。

そして、大事なところを思い出すのを忘れていましたね。お二方の後ろ盾が全員リセスさんの後ろ盾となった理由は、


『もし成功した場合なのですが、お二方の婚約者が正式に決まるまで後ろ盾の方々をリセス様の支援者にして頂きたいのです。そうしないと、戦力バランスが崩れてお二方の婚姻の前に継承権争いが終わってしまう可能性がありますので』

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