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教え21 何それ美味しいんですか?

スキルの獲得条件。それは、他の方の信仰度を一定以上変化させることです。

……え?何言ってるか分からない?信仰度?何それ美味しいの?

いえいえ。美味しいものではありませんよ。スキルを得られるという意味ではおいしいかもしれませんが、味はしません。

信仰度とは、人がどれほど教会における神を信仰しているのかをざっくりと表したモノですね。この世界にある教会では他の人のそれを上げる、つまり他の人にもっと神を深く信じさせることでスキルを得られると教えています。その人の力で信者を増やしたり、信心深い人を増やしたりすればメリットがあるというわけですね。しかし実際は、低下させることでも入手が可能です。これは、私が行ったきとことで判明しました。私が布教をすると、どんどんと他の方の信仰度が低下していくのです。しかし、それでも沢山のスキルを私は得ることが来ました。ゲームにも信仰度の上昇でしかスキルを手に入れていなかったので、これは大きな誤算です。


「私はもう疲れたので賭け事はやりたくないですね。時間がありますし、今のうちにフェルル様に金貨をお渡ししましょう」


「あっ。はい。ありがとうございます。……で、でも、使うのは学園が終わってからなので、後からで大丈夫です」


「そうですか。では、学園が終わり次第お渡しいたしますね」


「……………」

「……………」


会話が長続きしませんね。共通の話題が無いので、かなり厳しいです。せめて、ご趣味などが分かればその辺りのお話が出来るのですが。


「………そ、それでは、新入生であるフェルルさんとのふれあいが終わったところで、皆さんまた自由にして頂いて構いませんよ」


全く会話が弾まない状態が続いていると、先生らしき方が声を上げられました、この方も教室の皆さんからは見下されていそうな、可哀想な方だと思われます。時間があるときにお話しすることに致しましょう。


「つまんねぇなぁ~。あいつには期待してたのに」

「そう言うなって。逆に、無様なのが見れただろ」

「はいはい。2人とも、指示下にしないと、派閥の見栄が張れないですよ」


私がそんなことを思っている間に、先生の言葉を聞いた生徒さん達が次々と移動を始めて騒ぎ始めます。それぞれの派閥などに分かれているようですね。

5人いる王子達の周りには、それぞれかなりの数の取り巻きが。2人の王女達の周りには、王子達の半分ほどの人数の取り巻きがそれぞれいますね。それに対し、私が仕えるリセスさんの周りには、当然のことのようですが取り巻きの私1人。


「……これは、力を入れなければなりませんね」


「え?何かするつもりなんですか?」


私の呟きが聞こえたようで、リセスさんはとても不安そうな顔をされました。何かをするのを怖がっているようです。おそらく、下手なことをしてお兄さん方やお姉さん方に目を付けられるのを嫌がってるんでしょうね。まあ、弟さんも1人いるようですから、それも嫌がっていそうですけど。

ただ、1番年下の王子の場合は私たちより更に年下ですし、そういったことを判断するのは取り巻きの方々なんでしょうが。

リセスさんもこういう人たちに目を付けられるのが怖いと言うことが分かっているので、先ほど大声を出したのをすぐに謝ってきたのでしょう。


「一応何かあったときのために、身を守れるようにはしておいた方が良いかと思いまして。とはいえ護衛を雇うわけにもいきませんし、何か護身用の道具でも買いましょうか」


「あっ。は、はい。……そうですね」


リセスさんは視線を落とされます。どこか気落ち気味な印象を受けますね。今の会話が原因でしょう。身を守るということが嫌なわけではない思いますので、悩みは複雑そうです。考えられる可能性としては、戦ってしまうこと自体が怖いといった感じでしょうか?

身を守るということは、危ない状況に身を置くということですから。


「必要なモノがあればある程度用意できると思いますが、何かございますか?」


「い、いえ。特にないです。……そ、その、できるだけ平穏に暮らせれば、それでいいので」


「分かりました。リセス様の安全を確保できるよう、善処致します」


争うことを極端に嫌っていそうですね。そういう方も多いので批判することはないですが、どうやったらこんなにも過酷な王位継承権争いのある家庭で、ここまで争うことの嫌いな方が生まれてくるのか甚だ疑問です。

競争のある環境に身を置けば、自然と争うようになると思っていたんですけどね。習慣化されてしまえば、好き嫌いなどそこに関わってくることはなでしょうから。しかし、そんな常識は捨てた方が良いでしょうか。


「そうなりますと、1つ確認したことがございます」

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