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教え20 目をつけられるのですか?

「また協力同士ですか」


「おほほほ。気が合いますわねぇ!」


スキルの効果に逆らえはしません。ここで勝っておけば、金貨20枚得られて利益はプラマイ0だったんですけど。それが出来ないなら、できるだけ頑張るしか無いですね。

………とはいえスキルの効果に従うだけなので、私に出来ることはとても少ないですが。


「さぁさぁ。次いきますわよ!!」


どんどんとラウンドが進んでいきます。お互い協力を出し続け、第3ラウンドで40枚。第4ラウンドで金貨80枚。第5ラウンドで160枚。さらに320枚、640枚。

2倍なので上がり方が裏切り同士と比べると小さいですが、それでもじわじわ上がってきて辛いです。


「8ラウンド目も協力ですか」


「おほほほ。次の9ラウンド目も協力を出して差し上げますわ。勝負は、最後の10ラウンド目で決まることになりますわね」


そう言って、クロリアさんは嫌らしい笑みを向けてこられます。現在の掛け金が1280枚なので、第10ラウンドでは、2560枚の金貨がかけられるわけですか。そこで更にお互い協力を出せば、協力同士で勝負が付かずに5120枚の金貨が失われる可能性が。

私がエリーナさんから勝ち取った金貨2000枚の倍以上の損失が出るわけですね。それは非常にマズいです。となっても、もはや結果を左右するのはクロリアさんの意思と、スキルのみ。


「では、9ラウンド目にいきますわよ」


「はい」


お互いカードをセットしています。ただ、クロリアさんが協力を選ぶのは分かりきっていますね。

クロリアさんとしては、我が家の損失を出したい訳ですから。そう考えると、ここはクロリアさんの心が完全に油断しているところだと予想できます。すなわち、


「オホホホホ!協力して差し上げましたわぁ~」


「ええ。ありがとうございます。おかげさまで、私の勝ちと言うことになりましたね」


「………へ?」


私の言葉を理解するのに数秒かけたクロリアさんは、理解した直後は困惑した表情をされていました。ただ、その意味を理解して結果を見たところで、表情が変化していきます。みるみるうちに焦りのような感情が湧き出てきたようで、


「ど、どういうことですの!?」


「どういうこと、と言われましても困りますが、……私はただ、クロリア様の指示にお従いしただけなんですよ」


「し、指示に従った!?そんなわけが無いはずですわ!だって、あなたは拒否をして全て協力しか出せないはずじゃ!…………いや。まさか違うんですの?あなたは拒否では無く、制限拒否によって協力を出し続けていたということですの!?」


流石にバレててしまったようですね。クロリアさんが言うように、私は制限拒否というスキルの効果で協力を出していました。少し前にも説明しましたが、制限拒否は指定した条件で拒否を行うというモノです。今回の場合は、10回連続で拒否するという条件でした。ですから、1セットと2セットを合わせて11回目の行動となる今回では、制限拒否の効果が切れていたということです。スキルの性質を利用した、作戦勝ちです。


「ということは、最初に試したのも私に誤解させるだったんですのね!?なんと巧妙な!」


クロリアさんは、私の発言が罠だったと受け取っているようですが、そうではありません。行った行動が思いも寄らないところで誤解されるのは興味深いですね。

あの発言は、別に罠などでは無かったんです。リセスさんでは無く、私がじつはスキルを使っていたというところは、罠だと言えるかも知れませんが。


「フェ、フェルルさん凄いです!まさか2回とも勝っちゃうなんて!しかも」

「リセス様。フェルルと呼び捨てで構いませんよ。……それに、あまりはしゃぎすぎると、怖い方に目を付けられてしまうかもしれません。お気を付け下さい」


あ、危なかったです。今リセスさん、私がスキルを所持しているということを言ってしまうところでした。切り札としてできるだけ隠しておきたいので、言われてしまうと困るんです。

怖い方という言い訳があって良かったと思えます。説明しておきますと、怖い方というのは他の派閥の方々のことですね。現在私を含めて2人しかいないこのリセスさんの派閥では、他の派閥に目を付けられるとすぐに潰されてしまう可能性が高いわけです。だから、他の派閥の方を怖いと認識できるわけですよ。他の派閥の方へ感謝するなんて、今回くらいなものでしょう。


「あっ。ご、ごめんなさい。気をつけます」


「いえいえ。私の方こそ申し訳ございません。私の家がもう少し大きければ、怖い方に目を付けられても問題なかったのですが」


本来高位の貴族様達や王族様たちが使えるスキルを、ぽっと出の私が使えるなどとは思わないでしょうからね。良い切り札になると確信しているんです。因みになぜ私がスキルを持っているのかというと、それはスキルの取得条件というところに秘密があります。

スキルの獲得条件。それは、他の方の信仰度を一定以上変化させることです。

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