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教え2 これが赤子の力なのですか?

………はっ!?

と気付いたときには、かなり寝ていたようでした。寝るのに疲れたようで、身体が少しダルかったです。


「※※※※?※※※」


また声が聞こえてきました。直後、私の身体が浮かび上がり、誰かの顔がドアップに。

うっすらとひげらしきモノが見えるので、おそらく男性だろうと判断できます。


「※※※※※」


何を言っているのか、さっぱりわかりません。これは頑張って勉強しなければと、私は再度決意しました。

そして、やはり、こんな決意には身体が耐えられなかったようで、


「びえええぇぇぇぇんん!!!!!」


そして、泣き付かれると、また、…………



……はい。また目覚めましたよ。今回は、しっかりと今後のことについて考えます。

まず考えるのは、私の新しい人生の目標です。


第1目標は、やはり神、つまり魔王様の素晴らしさを広げることでしょう。

新しい世界ですから、きっと私の知らない宗教がメジャーとなっているはずです。その宗教を追い抜き、魔王教を世界で1番大きな宗教へ導くことが重要でしょう。


そして、第2目標は、今世を長生きして、充実した人生にすること、ですね。

前世は40代前半で終わってしまいましたから、今世はもっと自分を大切にして、油断せずに生きていきたいですね。

………人生の目標は、この2つが主で良いでしょう。


さて、それが決まれば、次はそのために何をするのかですね。

まずやるべきなのは、この肉体を鍛え、さらには言語を習得することでしょう。それが出来なければ、行動を起こすことはとても難しいでしょうから。


そして、その2つが出来たら、次は、状況の確認ですね。

自分が誰なのか、そして、この世界がどういう世界で、どういう価値観が存在するのか。ここを知らなければ、新たな信者様を獲得することなどできません。


他にもやるべき事はたくさんありますが、今はまだできないですね。

ということで、今できることを全力でやります。それでは、言語を習得し、強い肉体を手に入れるまで、………ジャンプ!


……。

…………。

着地!


はい。どうにか言語を覚えたので、報告します。

前にあった世界とは大きな違いがあったのでかなり手間取りましたが、覚えきることが出来ました。


前世の私なら数年かかっていたでしょうが、赤子の肉体は学習能力が高いのでしょう。4ヶ月ほどで覚えることが出来ました。

まだ全ての単語を覚えたわけではありませんが、私に話しかけてくる人々の言葉の8割は分かります。

そして、現在、


「フェルル~。シアネお姉ちゃんだよ~。今日も可愛いねぇ~」


私は姉であるシアネさんに甘やかされています。

シアネという名前は愛称である可能性もあるし、シアネさんが私と血がつながらない姉の可能性も感あげられますが、私はそうではないと知っています。

なぜかって?


「ほら、お姉ちゃんだよ。言ってごらん。お・ね・え・ちゃ・ん!……って、まだ無理だよねぇ~」


「あぅ~」


皆さんは、私が立てた2つの短期目標を覚えているでしょうか。

今回私は、その1つである言語をマスターしたわけです。まだ強い肉体を手に入れることは出来ていませんが、そこは時間をかけて行いましょう。

そして、今回のこれは、私の立てた短期目標のもう1つと関係しています。


それが何かと言えば、この世界のことを知るということ。

私に話しかけてくる人たちから、ある程度この世界のことを知りました。私はその内容と、その人たちの存在によってこの世界のことを理解できた訳です。

どういう事かというと、私じつは、この世界のことを知っていたんです。


「ふふふっ。可愛い~。将来は、私と一緒に美人姉妹って言われるんだよぉ」


「あぁ~。うぅ~」


この世界、私が前世で信者さんに教えて貰った乙女ゲームの世界なんですよねぇ~。

最初に異世界に来たと思ったときは、テンションが柄にもなく上がってしまいました。が、今回の世界の転生で、フェルルという方になったことにより色々と考えないといけなくなったのです。

このフェルル、いわゆる悪役令嬢で、ゲームのラスボスとなる身分の高い令嬢、………と言うわけではなく、その取り巻きの中の1人なのです。


「私たちが良いところに嫁げれば、家も良い感じに保てるってお父様言ってたし」


「あぁ~」


たいした権力があるわけでも、何か領地が発展しているだの優秀な騎士がいるだの、そういうことも無い、平凡な貴族家の娘。

それが私の転生した、フェルルという人間なのです。実に微妙な立場、行動もかなり制限されてしまいそうです。


「お父様はね。きょーかい?っていうところの人と結婚するのが1番良いって言ってたよ。でも、お金を貰って子供を作ったら、できるだけ関わるな、とかも言ってたっけ?」


教会。

私はその、シアネの言葉に反応します。この世界、ほぼ全ての人が同じ宗教信仰しているのです。

宗教の名は、女神教。唯一神である女神を信仰し、その使徒とされる異世界人を100年に1度召喚しています。


「確か、きょうかいの中だと、ゆうしゃさま?が1番良いんだったかな?……ん~。でも、お父様は、王族じゃないとゆうしゃさまとは結婚できないって言ってたっけ?」

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