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インド洋制圧と熱帯の洗礼

 4月末にイタリア海軍はマイアーレによりジブラルタル攻撃を実施、H部隊のクイーンエリザベス、レナウンを撃破。


 本国の安全を確保するとマッサワの復旧と並行して行われたマダガスカル救援も本格化し、目の上のたんこぶであるキリンディニで日本の特殊潜航艇により大破したラミリーズは港湾設備共々ジュリオ・チェーザレ以下の伊艦隊により止めを刺され、枢軸国がインド洋の制海権を握った。


 ただ枢軸側はアッドゥ環礁の存在を知らなかった為、残存艦艇を取り逃す事になる。


 初陣となったSM.91の能力は特定条件下に於いては先代のSM.82を遥かに凌いでいた。


 飛行場さえ確保すれば軽砲を牽引した状態か2両搭載したL3を自走展開させる事が出来、乗員は従来以上の速さで戦闘出来たのだ。


 射程、標高で勝る敵野砲兵も警戒線を迫撃砲を搭載したL3で粉砕突破し火砲の奪取に成功。


 より長射程の重砲も分解梱包されたCR42やシュトルヒが上空を乱舞する頃には完全に制圧した。


 敵が呆気なかったのは日本が参戦してから補給が途絶えがちで、体力と戦意がなく病魔に冒されていた為だった。


 イタリア軍も医薬品その物の量だけでなく能力不足に苦しんだものの、6月初旬にマダガスカルに侵攻した英軍を降伏させたが戦いが終わった後も大変だった。


 現地民宣撫や物資は奪回した東アフリカが優先された上に、綿花で有名なエジプトや植民地ソマリアの蚊帳製造ラインは戦火で仮死状態。


 やや重複するが本国から持ってきた除虫菊や起源を同じくする日本から貰った蚊取り線香も、販売された地域より害虫の体力と種類が豊富な中部アフリカ向きではなかったのである。


 陸では戦死傷者より病人が多く、海上でも完勝とは行かなかったがインド洋制圧という目的を達成する事が出来た。

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