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月夜譚 【No.101~No.200】

楽しみ時間 【月夜譚No.169】

作者: 夏月七葉

 電車の中でミステリー小説を開いた。

 昨日は良いところで自宅の最寄り駅に到着してしまったので、続きが楽しみだ。そんなわくわくした気持ちで、挟んであった猫の栞を指で摘まむ。

 電車通学の約三十分間、それは彼女にとって憩いの読書時間だった。自宅でも学校の休み時間でも読書はできるが、電車に揺られながらだと、不思議と物語に没入できる気がする。他の乗客の話し声や衣擦れも、程良いBGMになってくれた。

 探偵が関係者達を集め、トリックを暴く。追い詰められた犯人は、隠し持っていたナイフを取り出して近場にいた女性を人質に取ってしまった。

 さあ、これからどうなるか――というところで、学校の最寄り駅のアナウンスが流れた。

 彼女は息を吐いて、栞を本に差し込む。

 また、良いところでお預けだ。だが、これもまた電車内読書の面白いところでもある。

 彼女は電車を降りて、学校へと足を向けた。

 下校時の楽しみに思いを馳せながら――。

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