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いざ、ロベリアの元へ

『現在地はここだな、で、ロベリアがいる王城はここと……』


 アルは過去の記憶をもとに近隣の地形を地面に描き、それにユーストマが補足をして現在の大まかな地図を描き上げた。

 現在地と目的地を棒で指し確認するアルにユーストマは「はい」と答え頷く。


(距離としては大人の足で2日といったところか)


 顎に手を添え思案しならがらアルはユーストマを見る。まだ、幼さの残る少女、歳の頃は12,3だろうか。到底、大人の男性の速度についてこられるわけがない。


(ユーストマが一緒となると2日は無理だな。どこかで休憩を入れないと。そうなるとルートは……)


 大雑把に書かれた地図でも川と山と森は記されている。幸いなことに少しばかり大回りになるが川沿いを進めばロベリアのいる王城には到達できる。


『よし、ルートは決まった。行くぞ』


「はい、アル様」


 まずは川に向かって、それから上流を目指していけば王城が見えるはず。二人は川に向かって歩みを進めた。



 日が傾き、次第に空が紺色に染まり星が瞬き始めたころ、くーとどこからか腹の虫が鳴く音が響く。その音にアルははっとしたのかオッドアイの双眸を瞬かせた。


『悪い、自分が腹が減らないから気が付かなかった』


 アルの謝罪にユーストマは気にしていないと微笑みを返したが、彼女の腹は空腹を訴え再度小さく鳴いた。


『無理するな。何か食えるものでも探してくる。そこで待っててくれ』


 言うとアルは手際よく火を起し、祠にあった毛布、おそらくは墓守が置いていったものをユーストマに手渡すと川に向かって行った。


 寸刻でアルは枝に貫かれた両掌に乗るほどの大きさの魚を3匹、手に戻って来ると毛布にくるまりユーストマは小さな寝息を立てていた。


『起すのは焼けてからで良いか』


 焚火の傍に枝に刺さった魚を突き立てるとアルは穏やかに眠るユーストマの寝顔を眺めていた。

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