表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

虐め、出会いへ

2020,9/25 添削

 

「よし……。 行こう……!」


 覚悟を決めて家を出る。 眩しい太陽に照らされた町の姿はいつもと変わらない。 川が流れ、自然豊かなどこにでもあるような町。 決して大きいとは言えないが、そこそこ賑やかな町である。 何度も見た光景。 ただいつもとは違う。


   ーまた地獄が始まるー


 そんな気持ちはもうなかった。 辛い思いをしなくて済む。 新しい世界へと行ける。 こんな嬉しいことは無い。 そう思うことが出来た。


 家から一歩出る。 爽やかな風が頬をなぞる。 高まる気持ちを抑え、町の外へと向かう。


 案の定出会ってしまった。 一番会いたくなかった人に。


「やぁやぁやぁやぁハイドくん。 ご機嫌いかがァ?」


「……っ」


 目の前に現れたその人物は、狂気じみた笑顔を浮かべている。


「今日は最高な日になるねぇ? だって俺から離れる事ができるもんねぇ? ひゃっはっ」


「リバール=タワー……っ!」


 ハイドの生活に地獄を与えた張本人である、リバール=タワー。 下級魔導師ではあるが、かなりの才能を持っている。 魔力に長けていて、得意な魔術は『エクスフラム』。 炎系統術の一つで、最低ランクの『フラム』の一つ上のランクである。 下級魔導師で、次ランクの魔術を使える人はなかなかいない。 (いじ)めのリーダーになるのも(うなず)けてしまう。


「なんだいハイドくん? 嬉しくて言葉も出ないかい? またいつもの、やってあげようかァ?」


 いつものとは、魔術で痛めつける事である。 何千回何万回とやられてきた事だ。


「そんなに怖がらなくてもいいよォ? なんたって今日は()()()()()、だもんねぇ。 どこの世界に行っちゃうのかなァ! だから遊ばないであげるよォ。 感謝感謝。」


 舐められたものである。 いや、其れが普通なのかもしれない。 魔術も使えない奴が旅に出るのだ。


「……ほっといてくれ。」


 か細い声でようやく出た言葉だった。 其れを聞いたリバールは高笑いをしながらどこかへ消えて行った。


 高まっていた気持ちが台無しだ。 だが、もう会うことはない。 そう思うと気が楽になった。 本当に何もしてこなかった。 其れだけが気掛かりだったが、考えても辛くなるだけなので諦めた。


 (ようや)く町の入り口(まで)辿(たど)り着いた。 いつも通っている道なのに長く感じた。 リバールの所為(せい)だけではないだろう。


 もう一度深呼吸をする。 そしてこれまでのことを振り返る。 が、()めた。 辛いことしかなかった。 首を大きく降ってなかった事に……した。


 町を出るのは、家を出るのとは全然違った。 もっと楽に行けると思ったが、足が重かった。これから旅に出るのだ。 大好きな戦闘が出来るのだ。 そう言い聞かせた。


 もう一度深呼吸をする。 そして一歩を踏み出した。 新しい世界。これから先どんな事があるだろう。 不安と期待が入り混じった複雑な気持ち。


「なんとかなるよね……。」


 ハイドは歩き始める。 取り敢えず近くの町に行く事にした。 目指すは出会いの町、『ファインド』



 〓

 またまた登場、神様でございます。 いぇい。


 ハイドと言う青年の事を見てみたが……。 覚悟は決まっていたようだ。 戦う事だけを考えていらと思っていたが、町に行くとな。 ファインドを選択した事は素晴らしいと思う。 流石である。 ……。 思った事はこれだけ。 以上。 ただ、これからどのようにしていくかは気になるところだな。


 ところで、どのような最低ランクの魔術があるか気になるだろう? そうだろう。教えてやらんこともないぞ? 要らないとな。 困ったものだな。教えておかなければならないのに(教えたいだけ)。


 しょうがない。 次話は魔術の説明にしてやろう。 楽しみだ。はっはっは。


 じゃあまたどこかで会おう。 さらば。



 〓

 とうとう旅立って行ったなァ、ハイドくん。 本当に何もしないと思ったかぁい? ひゃっはっ。 これからどうやって遊んであげようかなぁ。 あぁ、良い事思いついちゃったァ。 待っててねぇ。 ハイドクゥン!?

お久しぶりです。

赤水捺南です。


約2週間経ちましたが、今回の『虐め、出会いへ』は如何でしたか? 少し短いですけど、読んでやってください。

今回はストーリーを書くのが少し難しかったです。

(ここからはネタバレになるかも?)


今回で町を後にします。 途中、虐めのリーダーが出てきます。 一応主人公ハイドと同じくらいの年齢なのですが、その年で次ランクの魔術を使うのはかなり凄いことです。 そういう設定です。 はい。(因みに年齢は17歳くらいと見ておいてください)

リーバル=タワーが使う炎系統術、『エクスフラム』はどのような効果なのか。 それは次話で話したいと思います。 ちゃんとストーリーも書きます。 安心してください。


感想等もお待ちしております。

これからも頑張って書いていくので宜しくお願いします。


それでは、また次話でお会いしましょう。



赤水捺南

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ