始まり、そして旅立ち
2020,9/25 添削
ーこの世界には魔導書と言うものがあるー
魔導書と言っても色々な種類があり、まだ未発見のものも多い。 この世界では大きく分けて、二種類の魔導書が存在する。
『白魔術』を司るものと『黒魔術』を司るもの。
一般に黒魔術が多く、白魔術は選ばれた者のみが手に出来る、とまで言われる程だ。
その中でも下級魔導師(主に一般人を意味する)は、『フライアーテ』と呼ばれる納戸色(藍染の一種)の魔導書が殆どである。
抑魔導書とは、七歳になる年の春に教会で配布されるものだ。 その教会で自分がどのような素質があり、どのような特性を持っているかなどが明らかになる。 それに合った魔導書が自分の物になるのだ。
その魔導書を駆使し、最強を目指すのもよし、楽して暮らすのもよし、起きて欲しくはないが悪事に使うのも良し、それは人それぞれである。
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とまぁこんな風にプロローグみたいなこと言ってみたけど必要あるかね。 絶対必要なかったよね、うん。 私は…… えーと…… 名前は特に無いけど、『神様』とでも呼んでくれたまえ。 疑っているな? 本物だとも。 儂とでも言っとけば信じてくれるかのう。 ふぉっふぉ。 ……。
それは置いといて……。 初めに言ったように魔導書と言うものが存在する訳だが、未だに解明されていないもの、発見されていないものが沢山ある。 否、あり過ぎる。この神様でさえ解らない代物もある。 使えない神だとか言うなよ? 本当に多いのだ。
其れらを悪用しようとしている輩がいる。 それも大きなグループで。 私が何とかしたいのは山々なんだが、神様がこの世界に関与してはいけないのだ。 歴史が変わったり、世界そのものが変わってしまったり……。 だがこのまま放って置くと大変な事になるやもしれない。 止めたいところではあるんだがな。
話は変わるが、今。 正にこの時、新しく冒険を始めようとしている青年がいる。 彼の名前は、ハイド=エイズ。 小柄で大人しい性格だ。 彼は…… 虐めを受けていた。
ー魔導師不適合者ー
そう屈辱的渾名を付けられ、嘲笑われていた。
覗きみたいで余り好ましくないが、この青年の事を少し見てみようと思う。 言葉には出来ないがどこか心配だ。 ただそれだけ。 強いて言うならば、この青年がこの世界を……。 いや、あり得ないな。 忘れてくれ。
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「これで良し……っと。」
旅の準備を終えたハイドは、一息ついていた。 今日の正午に出発出来るように早起きしていたのだ。 待ちに待ったこの日。 ハイドの気持ちは昂ぶっていた。
そんな中、ハイドの母は呆れた表情をしていた。
「まさか本当に行こうとしていたとはね……。」
大きな溜息をついた。 まったく酷い親だ。 息子が旅に出ると言うのに。
「もちろんだとも。」
一応返事はしておいた。 しかし溜息が返ってくるだけだった。
だが…… こうなる事は自分でも分かっていた。
何故なら自分は、魔導師不適合者だから。 何故自分がその様な渾名を付けられてしまったか。 其れは単純な事だ。 魔術が使えないのである。 苦手だとか扱い辛いだとかそんな甘い事ではない。 抑の問題で、魔力を持っていないのだ。 こんな事は殆ど起きたことがない。 この世界に置いて、魔力がないなどと言う事は生きていないのと同じ。 そう言われる程である。 その為、周りからは酷い扱いを受けてしまっていた。
「魔術を使えない落ちこぼれ」 「必要ないゴミ」 「早く消えてしまえ」 こんなのは日常茶飯事である。 親や親戚からも見放され、最低最悪な人生を送っていた。
そんな生活でも楽しみはあった。 1人町を出ては木の棒を振り回して小さな魔物を倒し、またある時は石を投げつけ撃退したこともあった。
そう、戦う事である。 魔術が使えないからといって戦えない事はない。 そのことに気づいた時、戦う事が楽しくなっていた。 こんな落ちこぼれでも魔物を倒す事が出来る。 そんな時間が幸せだった。
そんな事もあり、旅に出たいと思ったのだ。 もっと色々な魔物と戦いたいから。 其れに…… 最低最悪な生活からも抜け出したいとは思っていた。 いい時期だろう。 そう思った。
勿論、自分の力は理解している。 魔力がない為、己の基礎能力しかなく、ハイドが身につけられる装備にも限界があった。 其れに、魔力が無くとも魔導書は貰える。 魔術が使えないのに、おかしな話である。 何に使えば良いのだろうか。 鈍器にはなるかな。
そんなハイドに与えられた魔導書は、見たことの無い奇妙なものだった。 色は月白(淡い青色を含んだ白色)で、中心に謎のマークが描かれている。『 ∫ 』の様なマークの中央に『*』が重なった様なマークである。 其れが魔導書の真ん中にある。 色といいマークといい、教会の人も見た事ないと言う。 白魔術ではないかと疑われたが、色もマークも違った為、その線は無くなったが……。 さらに言うと、名前も不明である。 益々謎が深まるばかり。
魔力が無く、魔術が使えない人を見た事がない為、その様な人専用のものだという風になった。 中の文字も謎めいていて、見たことのない言語だった。 ハイドも含め、誰一人として読めなかった。 所詮は魔術を使えない奴のものだ。 それ以上調べられる事はなかった。
ハイドは息を吐き出し、気持ちを入れ直した。
「よし……。 行こう……!」
奇妙な魔導書と共に、ハイドは旅を始める。 目的は戦う事。 ただ其れだけである。
お久しぶりです。
赤水捺南です。
殆どの人が初めましてですね。
連載小説として初めての投稿です。 下手ですけど見てやってください。 感想等もお待ちしてます。
やっぱり小説を書くのは楽しいですね。 これからもゆっくりですけど、どんどん書いていきたいと思います。 頑張ります。
さて、今回書き上げたこの『魔導師不適合者は神々と躍る 〜ソーサークリエーション〜』は如何でしたか? 後書きから見ている方は、ここから先はネタバレを含みます(多分)。 先に本編を見てから戻って来てください。 気にしないのなら読み続けてやってください。
魔術が使えない主人公ハイド=エイズは魔術がつかえません。 使えるのが普通の世界ではこれまた辛い事ですね。 1人だけ違う。 虐めの対象にもなってしまいます。 悲しい。 そんな中ハイドは戦う事に興味を持ち始めました。 なんだかただの説明になってきちゃいましたね。 兎にも角にも、言いたいのはこれからのハイドを見守ってください。 私の事も見守ってくれると幸いです。 因みに小説を書いてるのに語彙力は全くございません。 ごめんなさい。
今回はここら辺で終わりたいと思います。 何を伝えたかったか全くわからないと思いますが、これからも宜しくお願いします。 次回はいつになる事やら。 神様もわかりません。
赤水捺南